猫の尿路結石に効果があるキャットフードと療法食とケアフードの違い

キャットフード博士
ここでは猫の尿路結石に効果があるキャットフードについて詳しくご紹介します。
また、「療法食」と「ケアフード」や「泌尿器ケアフード」などの違いについてもご説明します。
加奈子
尿路結石って凄く痛いって聞くし心配ね。
小太郎
博士が僕たちに尿路結石が出来やすい原因や、結石ができるまでの仕組みなんかを詳しく教えてくれたにゃ!
あと、手術になった場合の費用なんかもまとめてくれたにゃ!

 

猫の尿路結石に効果があるキャットフード

3 猫の膀胱炎に効果があるキャットフードやエサ」でロイヤルカナンとサイエンスダイエットから出ている療法食で猫の尿路結石に効果があるものをまとめました。それぞれのメーカーからいくつか種類が出ていますが、効果や目的が異なるので参考にしてみて下さい。

 

猫が尿路結石と診断されると獣医は必ずと言って良いほど「ロイヤルカナン」か「サイエンスダイエット」を紹介します。これは単純にこの2社が国内の獣医と癒着しているだけです。獣医は出入り業者の2社からはフードの特性や効果の説明を受けています。

 

なので自分の病院に置いてあるフードについては、どのフードがどういった症状・状態の時に適しているのかを把握しています。この2社以外にも療法食や維持食を出しているメーカーがあります。

 

ですがほとんどの獣医はそれらの特性や効果だけでなく、存在すら知りません。少数派ですが、中には独自に勉強をして、色々なメーカーの結石用フードの知識を持った獣医さんもいます。

 

この2社の療法食は金銭面・添加物・材料の質・油分の量などの理由から飼い主から嫌煙されがちです。ただ、実際この2社の療法食はしっかりとデータに裏付けされていて、尿路結石に対する溶解・予防効果が高いです。結石がある内は得に風評に惑わされることなく、結石が溶解するまで療法食を続けましょう。

 

ロイヤルカナン・サイエンスダイエット以外で猫の尿路結石用のフードを出しているメーカーの一例としては主に以下の通りです。ここではドライフードに絞ってご紹介していますが、水分をより効率良く補えるウェットで尿路結石用のフードもあります。

 

メーカー 商品名
フォルツァ10(ディエチ) ウリナリーアクティブ
アニモンダ インテグラプロテクトpHバランス
カントリーロード プレシャスサポート F.L.U.T.Dケア
スペシフィック 低pHメンテンナンス FCD
低pHスターター FSD
ビルバック ベットコンプレックス ミネラルコントロール
ザナベレ ウリナリー+グルテンフリー
ハッピーキャット 「センシティブ」シリーズ
ワイソン ユーレティック
ピュリナワン 「FLITHケア」シリーズ

 

また、一例ですがメーカーによってその子の体質に合う・合わないということもあります。例えばサイエンスダイエットの「s/d」を食べていて、「c/d」にすると再発してしまう子が、ロイヤルカナンの「pH1」で再発しなくなったといった事例もあります。

 

それぞれの説明

  • s/d:ストルバイトを溶かす力が強い、治療後も食べ続けるのは良くない
  • c/d:ストルバイト・シュウ酸カルシウムに効果がある、治療後の維持食にも良い
  • pH1:ストルバイト・シュウ酸カルシウムに効果がある、治療後の維持食にも良い

 

なので、単純に特性や効果が高いフードが良いという訳ではなく、その子の体質によってメーカーやフードとの相性があるということも覚えておくと良いでしょう。

 

「療法食」と「予防食・維持食・ケアフード」の違い

ここでは猫の尿路結石の為に作られた「療法食」と「予防・維持・ケアフード」の違いについてご紹介します。基本的には治療が済んだら「予防食」や「維持食」に変えるのが望ましいとされています。その理由について分かりやすいようにまとめました。

 

猫の尿路結石と「療法食」の考え方

猫の尿路結石における療法食は治療の目的で与えられます。結石の種類が「ストルバイト」か「シュウ酸カルシウム」かによってマグネシウムやリンなどのミネラル成分を調整してある他、尿pHを調整し結石を溶かす効果を持っています。

 

結石の大きさや種類によっては短期間に溶解するのを目的に効果が高い療法食を与えます。「おやつ」はNGで必ず定期的に獣医の診断を受けながら与えます。石が溶解したら再発を防ぐ為に予防・維持目的の療法食に切り替えていきます。

 

これは、尿pHが傾き続けるとどちらかの結石が出来やすくなる為です。詳しくは「4 猫に尿路結石ができる原因(メカニズム)」を参考にして下さい。

 

猫の尿路結石用「療法食」のまとめ

  • 結石の種類によっては溶解効果がある
  • 再発予防・健康(結石が無い)状態の維持に特化している
  • 「療法食」または「特別療法食」といった記載がある
  • 薬のように副作用が起こることもあるので必ず獣医の診断を受けながら処方する

 

猫の尿路結石と「予防食・維持食・ケアフード」の考え方

「予防食」・「維持食」・「ケアフード」・「準療法食」など、色々な言い方がありますが、メーカーによって考え方や特性・効果はピンキリです。しっかりと尿pHをコントロールしてくれるものもあります。

 

低品質なものは単純に「〇メーカーのキャットフードの中ではミネラル分が少なめ」という理由だけで「尿路結石に配慮」などと書いて販売している商品もあります。一般的総合栄養食と比べれば結石はできにくいですが、効果はそれなりです。

 

どちらにしても尿路結石に対する「溶解」や「予防」の効果は療法食に比べると低いです。ラベルに「総合栄養食」と書かれているものや、「療法食」という言葉が使われていないフードはケアフードと考えて良いでしょう。

猫の尿路結石における「療法食」と「予防食・ケアフード」の違い

  • 「療法食」と比べると溶解・予防効果が低い
  • メーカーによって効果がピンキリ
  • 「総合栄養食」または「一般食」といった記載がある
  • 「療法食」といった記載がない

 

猫に尿路結石が多い原因

原因の説明に入る前にまずは臓器や名称について少し説明しておきます。それぞれが似ていますが、違いを把握しておくと今後の説明がより分かりやすくなります。既にご存知の方の今一度ご覧頂ければと思います。(猫の泌尿器の画像を用意できなかったので人の画像で説明しています)

 

①~④の総称を「尿路」といい、①~④のどこかで起きた結石を総じて「尿路結石」といいます。ですが、結石が見つかった場所によってそれぞれ呼び名が変わります。

 

①腎臓:腎臓と②尿管との接合部である「腎盂」という部分に結晶が詰まることで起こる「腎結石」があります。

 

②尿管:腎臓と膀胱をつなぐ管のことを尿管といい、ここに結石が詰まることを「尿管結石」と言います。①と②を合わせて「上部尿路」とも言います。

 

③膀胱:おしっこを溜めておく場所なので結石が出来やすく、「膀胱結石」が最も多いです。

 

④尿道:①~③の間でできた結石が流れ着き、尿道内に溜まることで「尿道結石」が起きます。③と④を合わせて「下部尿路」とも言います。最近ではFLUTD「猫の下部尿路疾患(Feline Lower Urinary Tract Disease)」という言い方もポピュラーになってきました。

 

ですがFLUTDとは下部尿路における疾患の総称で、尿道結石・膀胱結石・膀胱炎など様々な意味を含んでいます。

 

結晶と結石の違い
イメージとしては【結晶は目には見えないサイズの砂】のことを言います。トイレシートの上でキラキラと光って気づくことがあります。【結石は目に見えるサイズの石】のことを言います。

 

膀胱炎

膀胱炎によって剥がれ落ちた内部組織が核となり、結石化していきます。膀胱炎について詳しくは「猫の膀胱炎に効く薬やフードは?血尿が出たら病院に行った方がいい?」をご覧ください。

 

血統

麻布大学付属動物病院の調査によって雑種と比べて「スコティッシュフォールド」・「アメリカンショートヘア」・「ヒマラヤン」が尿管結石を好発することが分かりました。

髙柳 明子, 三品 美夏, 渡邊 俊文「麻布大学附属動物病院における猫の尿管結石の好発品種に関する検討」日本獣医師会雑誌68巻,761~764(2015)

 

水分不足

水分を摂取することで、「膀胱内に溜まった尿が薄まり結石化し難くなる」また、「排尿回数が増えることで膀胱内で結晶化する前に排尿するようになる」といったメリットが生まれます。

 

ですが猫の祖先は砂漠環境で育ったこともあり、捕食する動物に含まれる少量の水分で効率よく生きられる為、直接水を飲むことが少ない動物です。猫の水分摂取量を増やす工夫は「9 水を飲まない時の対策」を参考にして下さい。

 

運動不足と肥満

運動不足と肥満が尿路結石になる直接的な要因は見つかっていません。しかし、運動不足や肥満は猫に多いとされる特発性(原因不明)膀胱炎を好発させる要因として考えられています。

 

他にも「高い場所がない」・「多頭飼い」など、ストレス的な要因も特発性膀胱炎の原因と考えられています。猫は外敵から襲われるリスクが低く、周囲の状況を見渡せる高い場所を好む為、賃貸物件や猫が登れる高い場所が無い家ではストレスを抱えやすいと言われています。

 

性別

膀胱から下(下部尿路)の結石についてはオス猫の方が好発します。オスの場合、尿道が細く結石が詰まり易いためです。その為、メスも同様に起こる可能性はありますが、血尿や痛みなどのトラブルになるのはオス猫が多いです。

 

年齢

猫の尿路結石は主に「ストルバイト」と「シュウ酸カルシウム」ですが、ストルバイト結石は6歳までの若い猫に、シュウ酸カルシウム結石は7歳以上のシニア層に多いとされています。

 

季節

猫は冬になると運動量が減ります。運動量の低下に合わせて水分摂取量が減るので自然と尿の回数や量が減るので結石化し易くなります。

 

猫に尿路結石ができる原因(メカニズム)

ここからは猫に尿路結石ができる原因(メカニズム)についてまとめました。そもそも何故・どのようにして結石ができるのかを分かりやすくご説明します。詳しい説明の前に尿路結石の種類について説明しておきます。

 

猫の尿路結石では「ストルバイト」と「シュウ酸カルシウム」の2種類が圧倒的に多く、それぞれの特長を把握しておくと以降の説明がより分かりやすくなります。(他にも尿酸塩結石、シスチン、キサンチン、シリカ、リン酸カルシウム(ブルシャイト)、ピロリン酸塩、血液結石などがあります)

ストルバイト結石の特長

  • 猫の尿路結石において最も多い
  • 尿のphがアルカリ性=6.6以上になると形成されやすい
  • 療法食での溶解が可能(結石が大きくなりすぎると外科手術)
  • 比較的若い猫に多い
シュウ酸カルシウム結石の特長

  • 猫の尿路結石で2番目に多い
  • 尿のpHが酸性=6.0以下に傾くと形成されやすい
  • 療法食では溶けない
  • 結石が小さければ膀胱内洗浄で良くなる(大きければ外科手術)
  • シニア猫がなりやすい

 

ミネラル分の飽和状態

キャットフードに含まれるマグネシウム(ストルバイト結石の原因)や、カルシウム(シュウ酸カルシウム結石の原因)が尿内で飽和状態(例:水に塩を入れ続けて解けなくなった状態)にあると沈殿し結晶化を始めます。

 

療法食や「尿路結石ケア」や「FLUTDに配慮」といったフードは意図的にマグネシウムやカルシウムの量を減らし、尿内のミネラル分が結晶化しにくいように調整されています。

 

排尿回数が少ない

ミネラル分が飽和状態であっても、 排尿回数や量が多ければ結晶化する前に体の外へ出すことができます。 ですが、「3.3 水分不足」でも説明したように猫は「水を飲む→おしっこをする」というサイクルが苦手なので結石化しやすい動物と言えます。

 

pHの偏り

猫の尿pH(酸性かアルカリ性かを測る単位)は6.0~6.6が望ましいとされています。これはこの範囲内ではストルバイトが結晶化しにくく、結晶化していても酸性尿によってストルバイトが解ける為です。療法食や一部の尿路結石ケアフードは尿pHを弱酸性(6.0~6.6)にコントロールします。

 

猫に尿路結石ができる原因のまとめ
「ミネラルの飽和状態」・「排尿回数」・「pH」の3つが重なり合うことで結石化します。療法食やケアフードではそれぞれを調整してくれていますが、「10 水を飲まない時の対策」を参考に排尿を促すことも効果的な予防方法です。

 

 猫が尿路結石になった場合の症状

  • 血尿
  • トイレの回数が増える
  • トイレで排尿姿勢をするが出ない
  • トイレにいる時間が長い
  • おしっこをする時に痛くて鳴く
  • トイレで結晶が見つかる(おしっこの跡がキラキラ光る)
  • トイレ以外の場所での失敗が増える
  • おしっこが出る箇所を執拗に舐める

 

猫が尿路結石になると上記のような症状が見られるようになります。ただし、上記のような症状は膀胱炎でも見られる物が多いです。安易な判断で尿路結石用の療法食を与えるのは危険なので、上記の症状がみられたら検診を受けましょう。

 

検査・診断方法

採尿場所 メリット デメリット
病院 より正確な検査ができる ストレスになる
自宅 採尿が難しい ストレスが少ない

 

尿路結石の検査において重要になるのが採尿です。トイレシーツがキラキラ光っていて結晶を見つけたり、トイレシートが茶色く染みていて血尿に気づくことがあります。ですが、膀胱炎なのか尿路結石なのかといった検査には採尿が必要になります。

 

超音波検査やレントゲン検査では尿路のどの部分に結石があるのか・どれくらいの大きさなのかといったことは分かりますが、結石の種類までは分かりません。採尿し、pHや結晶の形、尿タンパクなどを調べて原因となっている石の種類を特定します。

 

猫が自宅で自然に出したおしっこを採取するのが猫にとって最もストレスの少ない方法ですが、採取から時間が経つと尿中で結晶化が進みます。また、膀胱炎の場合は尿内の細菌の数で判断しますが、膀胱から尿道を通って体外に出るまでに細菌の数が増えます。病院で採尿する場合は次のような採尿方法があります。

 

採尿方法と平均費用 メリット デメリット
圧迫採尿

0~2,000円(91.5%)

獣医に任せられる
  • 圧迫による不快感がある
  • 検査に十分な量を確保できないことがある
カテーテル採尿

500~3,000円(72.6%)

圧迫よりも正確な検査が可能
  • カテーテル挿入時に不快感がある
  • カテーテル挿入時に細菌を膀胱に送り込むリスク
  • メスは難しい
  • 尿道や膀胱を傷つけるリスク
膀胱穿刺(ぼうこうせんし)

500~3,000円(65.3%)

お腹から膀胱に直接針を刺して採尿する

カテーテルよりも正確な検査が可能
  • 不快感が最も高い
  • 注射針で傷つくリスク
  • 事故のリスクもゼロではない

出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査」H27.6

 

もちろん、病院でタイミング良くおしっこをしてくれれば良いんですが、排尿行為は無防備になるので普段と違った病院という環境では猫が自発的におしっこをすることはほぼありません。状態によっては急を要する場合もあるので、初めての方は獣医に採尿してもらうのが良いかもしれません。

 

治療中や再発予防に、定期的にpHをチェックするだけなら「ロールタイプのpH試験紙」が楽天やアマゾンで販売しています。必要な分をちぎって使えるのでスティックタイプよりも経済的でおすすめです。

 

手術代と治療費

  • 全身麻酔:3,000~12,500円(72,9%)
  • 腹部のエコー:1,000~5,000円(76.7%)
  • 膀胱洗浄:1,000~5,000円(76.1%)
  • 腎臓切開:30,000~75,000円(38.5%)
  • 尿管切開:30,000~75,000円(25.7%)
  • 膀胱切開:25,000~75,000円(67.8%)
  • 尿道切開:20,000~75,000(62.8%)

出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査」H27.6

 

療法食では結石が溶解しない場合や、大きすぎて切開して取り除く必要がある場合は手術が必要になってきます。上記以外にも入院費などが発生します。詳しくは「動物病院でかかる猫の費用」をご覧ください。切開する場所にもよりますが、10~15万円程度は見ておいた方が良いでしょう。

 

パーセンテージが低い尿管切開においては対応外が48.7%、腎臓切開は34.1%となっていました。上部尿路において切開が必要な結石ができると対応できる病院が少ないことが分かります。他のページでも書いていますが、動物病院は自由診療です。

 

各病院によって診療費用が異なります。上記ではあくまで平均金額を産出しましたが、参照元のデータではより細かく分類されています。手術が必要な場合は急を要するケースが多いですが、各病院に直接聞かない限りは金額が分かりません。

 

また、上記意外でもオス猫が尿道結石を繰り返す場合、会陰尿道造瘻術(えいんにょうどうぞうろうじゅつ)という性器を切除する手術をすることもあります。こちはら入院から退院までで8~10万円程度を見ておくと良いでしょう。

 

 

尿路結石に使用する薬

膀胱炎や尿道炎を併発している場合は「痛み止め」や「抗生物質」などを使いますが、尿路結石のみの治療であれば特別に使用する薬はありません。もちろん、結石が大きすぎたり再発を繰り返している場合は外科手術が必要になり、麻酔を使うことはあります。

 

尿路結石は治らない・完治しない場合の対応

尿路結石が「治らない」または「完治しない」といった内容を良く見かけますが、きちんと治療すれば治ります。ただ、こういったトラブルを抱えている場合、膀胱炎を併発または発症しているケースが多いです。「5  猫が尿路結石になった場合の症状」でも書きましたが、膀胱炎も尿路結石と同じような症状が出ます。

 

  1. 獣医の指示を受けて療法食を続けた
  2. 尿路結石は溶解または体外に排出された
  3. 膀胱炎による血尿が出ている

 

猫の膀胱炎に関しては特発性(原因不明)のものが多く、検査をしても原因となる細菌が見つからない為、発見が遅れることもあります。特発性の原因はほとんどがストレスによるものというのが通説です。検診がストレスになっていることもありますが、セカンドオピニオンも検討し、なぜ症状が改善しないのかを調べて貰いましょう。

 

尿路結石がある・患った猫におやつはあげない方が良い?

どんな「おやつ」なのかにもよりますが、基本的にはあげない方が良いです。ただ、少量で月に1回程度ならそれほど神経質になることもありませんが(現在進行形で結石がある子は獣医から指示を受けた療法食を食べ続けるのが前提)、どちらが良いかと聞かれればやはり「あげない方が良い」です。

 

例えば、ウェットフードが好きな子であればロイヤルカナンやサイエンスダイエットから尿路結石の子用に作られたウェットフードがあります。効率的に水分を取れるので月に1回と言わず、積極的に食べさせたいフードです。逆に人間用の食品などは塩分をはじめとしたミネラル分が高いです。

 

可能であれば、療法食や上記のようなウェットフードを間食としてあげるのが望ましいです。また、療法食であれば少量をおやつ(間食)としてあげる分には問題ありません。

 

水を飲まない時の対策

  • 一度沸かす(カルキや水道水のニオイを飛ばす)
  • ぬるま湯を与える
  • 水の設置個所を増やす(家の中に2~3箇所)
  • 水にマタタビや鰹節を入れる
  • ささみのゆで汁を人肌に冷ましてから与える
  • ゆで汁で作った寒天をおやつにあげる
  • シリンジを使って飲ませる
  • レトルトパウチを食べさせる・混ぜる
  • ドライフードをふやかす
  • 手作りご飯
  • 給水機(噴水のように水が流れて見えるもの)

 

3.3 水分不足」でも紹介したように、猫は積極的に水を飲む動物ではありません。例えば、昼寝の最中は喉の渇きよりも昼寝を優先させます。なので極端に水の摂取量が少ない子はシリンジ(針がついていない注射器)などを使って半ば強制的に水を飲ませても良いでしょう。

 

また、猫はお皿に入れた水よりも水道から流れている水の方が良く飲みます。諸説ありますが「流れている水の方が新鮮に見える為(水たまりより川の水の方が新鮮に見える)」と言われており、噴水型の給水機なども取り入れると良いでしょう。

 

尿路結石の予後は腎不全になる可能性が高い?

尿路結石を患ったからといって腎不全になる可能性が高くなるといったデータは見つかりませんでした。ただ、尿路結石は再発率が非常に高い病気です。その為、結石が再発して気づくのが遅くなり急性腎不全や尿毒症などに進行してしまうケースは珍しくありません。

 

この場合、結石溶解用の療法食を値段的や風評的な問題から飼い主が勝手に止めてしまうことも原因の一つとして考えられます。療法食は言ってみれば薬と同じです。始める時も止める時も、他の銘柄に変える時も獣医と相談しながら行うことをおすすめします。

 

また、尿管結石の場合は片方だけだと特に症状が無かったり、痛みも無いので健康診断を受けて初めて見つかるケースも珍しくありません。腎結石も結石が小さいと無症状です。結石が大きくなって急性腎不全に陥ることもあるので定期健診を受けることをおすすめします。

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