病院に連れてきて欲しいケースや考えられる病気についてもまとめたから読んでみて下さいね。
子猫の場合は「子猫がご飯を食べない原因」を参考にして下さいね。
目次
猫が何日ご飯を食べなかったら病院に連れていくべきなのか?
- 絶食状態になってから丸1日(24時間)
- 食欲が落ちてから3日(72時間)
上記の状態が続く場合、単純にキャットフードを変更したりよくある「嗜好性を高める工夫」をしても食欲が回復する可能性は低く、何かしら体調不良や病気が考えられます。診断と同時に必要であれば点滴などで栄養を補給することもあります。
成猫の場合、 1日(24時間)なにも口にしない状況であれば翌日には病院で診断 を受けましょう。通常、わがままや偏食・夏バテなどの場合、「24時間何も口にしない」ということはありません。逆に24時間何も食べない場合は深刻な病気の可能性もあるということになります。
更に、3日(72時間)経っても食欲が回復しない場合も病院で診断しましょう。これらは病気を疑うと共に極度の空腹による「肝リピドーシス(脂肪肝)」を避ける為でもあります。猫は「絶食状態が72時間以上続くと肝リピドーシス」を起こす危険性が高くなります。
- 24時間何も(少しも・全く)口にしない
- 3日(72時間)経っても食欲が回復しない
猫がご飯(キャットフード)を食べない原因と対策
ここでは猫がご飯(キャットフード)を食べなくなる原因を「ご飯」・「猫」・「その他」の3つにカテゴリー分けしてそれぞれを詳しくまとめました。猫の食欲が低下する原因は全てまとめてあるので参考にしてみて下さい。
ご飯(キャットフード)に問題がある時の対策
ここではご飯(キャットフード)に問題があるケースをまとめました。心当たりがある場合は同じキャットフードを新しいものを封切ってあげて食欲が戻れば、フードの劣化が原因かどうかが分かります。それでも食欲が戻らなければ一度受診し、異常が無ければ別のフードを探すのが良い流れです。
- フードに傷みがないか確認(ニオイ・見た目)
- 傷みがあれば同じフードで新しいものを封切ってあげてみる
- 傷みがなければ24~72時間、食欲に応じて様子を見る
- 食欲が回復しなければ病院へ
- 診断を受けても異常が無ければフードを切り替
香りが減っている
開封後、時間が経ってしまい嗜好性が落ちることがあります。この場合、フライパンで軽く炒ることで香りがたち食欲が回復することがあります。人肌くらいの温度が猫にとって最も食欲をそそる温度なので、炒ってから人肌くらいの温度(35~40度)であげてみて下さい。
酸化している
キャットフードは必須脂肪酸の摂取や、嗜好性をあげる為に「動物性油脂」や「○○オイル」などを使いコーティングされています。この油が酸化してしまい独特の嫌な香りを出して食欲が低下している場合があります。フードを嗅いでみて酸化したニオイ(サビのような嫌な感じ)がしないか確認してみましょう。
保管状況(温度や直射日光)によって酸化が早まりますが、製造上のミスで開封直後に関わらず酸化している場合もまれにあります。レシートなどがあれば対応してくれるケースもあるので購入店に相談してみましょう。「キャットフードの保存方法」を参考に保存方法をチェックしてみて下さい。
カビが発生している
梅雨~夏にかけては湿度が高まることもあり、キャットフードがカビてしまうことがあります。密閉容器やシリカゲルを使って梅雨~夏場の間だけでも湿気対策をしましょう。「フードストッカー」の記事も参考にしてみて下さい。
また、カビまでいかなくてもフードが湿気ってしまい食感が変わって食欲が落ちていることも考えられます。鮮度を保つためにもこの時期は大袋の購入は避けて子袋を購入したり、保存方法に気を付けて下さい。同じ銘柄で新しいフードを封切って食欲が戻ればフードに原因があるということになります。
キャットフードを切り替えたばかり
キャットフードを別の銘柄に変えたばかりの場合、今まで食べなれたフードと違うということで警戒する(ネオフォビアという習性)場合があります。この場合、今まであげていたフードを9:新しいフードを1の割合で混ぜて少しずつ新しいフードの割合を増やしてみて下さい。
途中で食べなくなったらまた古いの9:新しいの1に戻して少しずつ慣らしていくことで警戒が取れて食べるようになります。単純に好みでない場合は何度やっても完全に切り替えができないのでその時はあきらめて別のフードを探しましょう。
キャットフードに飽きた
野良を拾った場合は食(味)に対して贅沢をいう子は少ないんですが、完全な家猫(生まれてから野良や飢餓を経験していない)の場合、食べなれたフードに飽きてしまうことがあります。但し、そのまま全く食べなくなるというケースは少ないです。
「1 猫が何日ご飯を食べなかったら病院に連れていくべきなのか?」を参考に、しばらく様子を見ても良いでしょう。ここでむやみに別のフードを用意してあげると「ワガママを言えば別のフードを出してくれる」と勘違いし、偏食(わがまま)が始まります。
キャットフードが合わない
切り替え直後に吐いたり・下痢をするなど、体調不良を起こした場合に猫は「新しいフードが原因なのでは?」と一度は消えかかった警戒心が戻ってしまうことがあります。原因は定かではありませんが、こうなってしまうともう一度警戒心を解くのは大変なので別のフードを探した方が良いでしょう。
栄養素が足りない
最新の研究で猫は食べながら「キャットフードの中の栄養素を判別できる」ことが分かっています。肉食動物ということもあり、「高たんぱく・低炭水化物」なものを好むので穀物の使用量が多く、炭水化物の割合が高いものは自然と避けます。
グレインフリー(穀物不使用)のキャットフードの嗜好性が高いのは、猫が求めている栄養バランスだからと考えて良いでしょう。
出典1:Cat Feeding Behaviour and Preference
出典2:Geometric analysis of macronutrient selection in the adult domestic cat
猫(体調や病気)に問題がある場合
ここでは猫の体調や病気に問題がある場合の原因と対策をまとめました。「3 猫が「ご飯を食べないうえ吐く」時の原因と対策」も合わせて24~72時間は様子を観察し、食欲が回復しないようなら病院に連れていってあげて下さい。
病気の場合
例えば、猫の嗜好性の要でもある嗅覚が鼻づまりによって麻痺してしまうような病気や、肝炎などの食欲低下の症状を起こす病気は数多くあります。病気の中には容体が急変するような急性のものもあります。但し、病気が原因で食欲不振が起こる場合は、ほとんどの場合別の症状も現れます。
病気によって起こる症状は様々ですが、獣医に相談する際のポイントともなるので食欲不振以外に「あれ?」と思うような仕草や症状があったら相談の際に伝えて下さい。万が一病気だった場合、病気の早期発見につながる手がかりになります。
下痢・嘔吐・元気がない・黄疸・おなかが膨らむ・震える・けいれん・鼻水・くしゃみ・咳・鼻血・口内炎・発熱・涙が増える・目やにが増える・体重減少・呼吸困難・便秘・おなかを触られるのを嫌がる・水を飲まない・水をたくさん飲む・おしっこの回数が増える・口から腐敗臭・歯石が見える・顔の腫れなどなど
元々の習性
猫はもともと食欲にムラがある動物です。元々はネズミなどの小動物を捕食していたので一度に大量に食べるのではなく、「狩りをして食べる」ということを繰り返していたので猫の多くはダラダラ食い(ムラ食い)の習性があると言われています。
この場合、別に病気ではなく習性の問題なのでお腹が空けば勝手に食べますし、ご飯を催促してきます。いつでも食べられる環境にしておくとこの癖が治らないので、食べなければお皿を下げるようにすると完全できます。
興奮状態(繁殖期)
激しい運動をしたり、庭(自分の縄張り)に通りすがりの猫がやってきた時や繁殖期など、激しい興奮状態の時は食欲が低下するというよりは「ご飯どころじゃなくなる」といった状態に陥ります。避妊・去勢手術を受けることで繁殖期に関しては症状が軽くなります。
その他(季節や周辺環境)に問題がある場合
ここでは「キャットフード」と「猫自身」以外に原因があって、ご飯を食べない時の原因と対策をまとめました。案外見落としがちなポイントでもあるのでサっと目を通してみて下さい。
器が気に入らない
猫は器にヒゲが触れることを嫌うのであまり高さがなく、広い器を用意してあげた方が良いです。また、銀ピカに光るお皿よりも光沢のない樹脂素材の方が好みます。器が汚れていたり、他の猫の唾液が付いているといった理由でも食欲を落とす原因となるので毎回お皿を洗うなど、清潔に保ってあげましょう。
ご飯の時間がまばら
いつも決まった時間にご飯を食べていた子の場合、たまに飼い主の買い物が原因などで時間がずれてしまうと一時的に食欲が低下することがあります。人も空腹のピークを過ぎると次の食事時間までお腹が空かないことがありますが、それと同じです。一時的なものなので次のタイミングでは食べるはずです。
ご飯を食べる場所が騒がしい
食事場所が騒がしかったり、ご飯を食べている時に撫でたりということを繰り返していると食欲が落ちることがあります。この場合、段ボールなどでご飯を食べる場所を仕切ったり・やや暗めのスペースを作ってあげることで落ち着いて食べることができ、食欲が戻ることがあります。
特定の餌場がある
完全な家猫ではなく、外に散歩にいく子の場合、自宅以外に特定の餌場があるケースがあります。野良の子に餌をやっている人や場所があると、そういったところに通っていることも考えられます。どんな環境(直射日光の元で出しっぱなしかもしれない)で食べているかもわからないので、できれば外で変なものを食べて欲しくありませんよね。
また、外に出ることで事故やケンカ(病気を貰うこともある)・拾い食いなど様々なリスクが上がるのでできるだけ外には出さないことをおすすめします。
季節
四季との関係性は分かっていませんが、猫は4か月周期で食欲が変化しているという研究結果があります。「夏」→「春・秋」→「冬」の順番で食欲が高くなります。夏場は最も食欲が低下する時期です。加えてキャットフードが傷み易い季節でもあるので特に夏場はフードの鮮度維持が大切ということが分かります。
猫が「ご飯を食べないのに吐く」時の原因と対策
ここでは「ご飯を食べない」+「吐く」という症状の時に考えられる原因と対策についてまとめました。この2つの症状が重なる場合、病気のケースが多いので対策としては「24~72時間」を目途に食欲が回復しなければ受信することをおすすめします。
「ご飯を食べない」+「吐く」病気【危険度:小】
ここでは命の危険は無い「食欲不振と吐く」症状が重なった時に考えられる病気と特徴をまとめました。他の症状も書き出しているので症状を確認した際は獣医に相談して下さい。
前立腺炎:食欲不振・発熱・嘔吐・元気がない・尿が出にくい
前立腺が細菌感染することによって炎症を起こします。他に血尿やおしっこのにごり・ニオイがきつくなるなどの症状が出ます。去勢によって前立腺が退縮するので予防や再発を防ぐことができます。
咽頭炎:食欲不振・咳・よだれがふえる・えづく(吐きそうなそぶり)
口の奥にある咽頭という部分が炎症を起こし、上記の他に鳴き声の変化といった症状が出ます。細菌感染や誤飲の他、鼻炎や口内炎からの波及が原因です。命に係わることはありませんが原因となる鼻炎などの治療が必要です。
毛球(ヘアボール)または毛球症:食欲低下・吐く・便秘
毛玉が胃の中で固まってしまい、うまく排泄できない為に上記のような症状が出ます。長毛種はヘアボールが出来やすいので小まめなブラッシングをし、グルーミング時に毛を飲み込ませないよう注意が必要です。換毛期に「ラキサトーン」などの毛玉除去剤を与えての予防も効果的です。
胃腸炎:食欲低下・嘔吐・下痢・体重減少・毛ヅヤの悪化
命に係わることは少ないですが、上記以外に脱水や血便などの症状が出ます。ヘアボールやウィルス感染・誤飲が原因で胃炎が起こった状態です。急性の場合は下痢や嘔吐の症状が現れません。
食道炎:食欲低下・嘔吐・水を飲まなくなる・体重減少・よだれが増える
食道に炎症が起こった状態です。誤飲ややけど・胃炎から何度もはくことで炎症を起こします。命に係わる危険は少ないですが、喉の傷みから食欲の低下や水を飲まなくなります。痛みから飲み込む際に鳴き声をあげることもあります。
便秘:食欲低下・嘔吐・何度もトイレにいく・コロコロの便
上記以外に下腹部の膨らみや下腹部に触られるのを嫌がるといた症状が出ます。命に係わる危険は少ないんですが、ストレスや水分不足を始め、他の病気が原因で起こることもあります。
巨大結腸症:食欲不振・嘔吐・下痢・毛ヅヤの悪化・下腹部の膨らみ
上記以外にも便が出ない為に何度もトイレに行ったり、数日~数年にわたる便秘を起こします。命に係わることは少ないです。先天性の場合は仔猫の内から症状がでますが、後発の場合は病気や事故での骨の変形や自律神経の傷などが原因となるので事故にあってしまった際は注意しましょう。
「ご飯を食べない」+「吐く」病気【危険度:中】
ここからは「食べない&吐く」といった症状の時に命の危険は少ないものの、放っておくと危険な病気と主な症状についてまとめました。これらの症状がみられた場合はできるだけ早く受診するようにしましょう。
回虫症:食欲不振・下痢・嘔吐・腹痛・咳・体重減少・貧血・毛ヅヤの悪化
便や嘔吐物の中にひものような回虫を出すこともあります。経口感染げ主な原因で、糞食や回虫に感染したネズミなどを食べることで感染します。駆除薬で治療します。人にも感染する(トキソカラ症)ので注意が必要です。
急性糸球体腎炎:水を良く飲む・尿が増える・食欲不振・嘔吐・下痢・他
初期はほぼ無症状です。進行するにつれて元気がなくなったり毛ヅヤが悪化・水を飲む量が殖えたりしてきます。ウイルスや細菌感染の以外に他の病気が原因となることもあります。命に係わることは少ないですが、初期症状がなく予防法もないので急性糸球体腎炎を起こしやすい病気のワクチン接種が効果的です。
慢性胃炎:食欲不振・断続的な嘔吐・体重減少・水をよく飲む
命に係わることは少ないですが、上記以外にも痛みからお腹に触られるのを嫌がります。急性胃炎や胃潰瘍の他、寄生虫や食物アレルギーなど様々な原因で起こるので、原因となる病気の特定と治療が必要になります。
胃運動低下症:食欲不振・食後に毎回吐く・げっぷが多い・体重減少
命の危険になることは少ないんですが、基礎疾患を元に発症するケースが多くストレスが原因で起こることもあります。処方された薬が原因となることもあり、まずは原因となる基礎疾患の特定と治療が必要になります。
慢性(急性)肝炎:食欲不振・嘔吐・下痢・体重減少・黄疸・元気がない・腹水
初期症状はほとんどありません。進行するにつれて上記のような症状が現れる為、飼い主が気づいた時には重症になっているケースが多いので定期健診を受けるのが良いでしょう。ウイルスや細菌感染が多いですが、猫にとっての毒物の誤飲で少しずつ肝臓がダメになっていきます。急性の場合は命に係わることもあります。
肝脂肪(肝リピドーシス):食欲不振・嘔吐・下痢・黄疸・便秘・元気がない
直接命に係わることは少ないですが、間違ったダイエットやストレスからくる絶食でも発症します。特に太った子が発症し易いので体重管理には注意しましょう。何も食べない絶食状態が3日以上続くと危険なので病院で診てもらいましょう。
膵炎:食欲低下・嘔吐・下痢・脱水・元気がない・運動量の低下
命に係わることは少ないですが、糖尿病を併発することもあります。急性の場合は上記のような症状が現れます。慢性の場合、上記の症状が繰り返し現れるので注意が必要です。基礎疾患や感染症が原因で起こりますが、特徴的な症状がなく発見が遅れることがあります。
胆嚢障害:食欲低下・嘔吐・下痢・脱水・元気がない・腹痛
発見が遅れやすく、場合によっては早急に手術が必要な場合もあります。「胆汁異常」・「胆嚢病変」・「胆管閉塞」・「膵液の逆流」など様々な原因で起こります。その為、予防が難しく定期健診で早期発見が重要な病気です。
「ご飯を食べない」+「吐く」病気【危険度:大】
ここからは「食欲不振と吐く」という症状が出る病気で、命の危険もある病気を紹介します。症状はどれも似たような内容が多いですが、「食欲不振+吐く+α」の症状が出たらできるだけ早く病院に行くことをおすすめします。
糖尿病性ケトアシドーシス:食欲低下・嘔吐・水を飲まない・下痢
上記以外にも元気がなくなります。糖尿病を基礎疾患とした「Ⅰ型糖尿病」に多く、糖尿病に気づかなかったり、治療が適切でなかった場合に起こり最悪の場合は死に至ることになります。腎臓病や肝脂肪などを併発することもあり早期発見と正しい治療に専念すれば十分に生きられる病気です。
原因となる糖尿病は「早食い・ドカ食い」によるインスリンの過剰分泌や6歳以上のオスが好発条件になっているので、該当する子は定期健診を受けて早期発見に努めましょう。
急性腎不全:食欲不振・嘔吐・おしっこの量が減る・元気がない
上記以外にも口臭の悪化・体温の低下・脱水などの症状を起こします。酷いケースでは命に係わる病気です。原因は様々で予防するのが難しく早期発見・早期治療がカギとなります。また、定期的なワクチン接種で全てではないものの腎不全につながる病気を予防することもできるのでワクチン接種と合わせた定期健診をおすすめします。
胃捻転:食欲不振・嘔吐・よだれが増える・えづく・ゲップが増える
上記以外にも水を飲む量が増えたりお腹が膨れる・腹痛から触られるのを嫌がるといった症状がでます。食べ過ぎによる胃拡張や食後すぐの運動などが原因で起こります。犬と比べると発症する確率は低いんですが、放っておくと命に係わるので早期発見・早期治療が必要な病気です。
腸重積・腸閉塞:食欲低下・嘔吐・お腹が膨れる・便秘・腹痛(タッチの拒否)
様々な原因で起こりますが、放っておくと命に係わる病気です。酷い場合は嘔吐が原因で脱水となり死んでしまう病気です。飼い主側でできる予防としては誤飲予防の為に猫が口に入れてしまいそうなサイズのものを片付けておくことです。
熱中症:食欲不振・嘔吐・下痢・血便・元気がない・ぐったり・よだれが増える
熱中症にかかると時には短時間で命を失うことになってしまいます。夏場でかける際は小窓をあけたり、エアコンで室温を調整するなど、飼い主側で予防が可能です。万が一熱中症にかかった際は、「日陰に移す→水を飲ます→体を濡らす→扇風機で風邪を送って気化熱で冷ます」をしながら獣医に連絡をして下さい。(氷水は冷たすぎるのでNGです)
尿毒症:食欲不振・嘔吐・下痢・体重減少・元気がない・口臭の悪化
腎臓の機能が低下し、本来は腎臓がろ過してくれるはずの毒素が血中に溜まった危険な状態で、放っておくと命に関わります。点滴や輸血で対処療法をし、基礎疾患となる腎臓の治療をしていきます。早期発見の為にも定期健診をおすすめします。
誤飲:口をパクパクする・えづく・食欲不振・呼吸困難
単純に気管に詰まって呼吸困難になることもありますし、人間用の薬や殺鼠剤など毒物を飲んでしまい命を落とすこともあります。コインやヘアバンド・針や紐・糸など、「こんなものを?」と思うようなものを飲んでしまい、病院で治療する子がたくさんいます。
誤飲は病気とは違い飼い主の責任です。基本的には猫の口に入るサイズのものは引き出しなどにしまう習慣をつけて、確実に予防してあげて下さい。
猫が「元気はあるけどご飯を食べない」時の原因と対策
猫に元気がある場合は「24時間の絶食」または「72時間の食欲不振」を元に病院を受診してください。「食欲がないけど元気」な状態では何が原因か分かりませんし、ただの好き嫌いや食欲のムラの可能性もあります。
例え元気があっても「24~72時間」食欲不振が続く場合は病気などの要因が絡むことが多いです。猫は飼い主に対してもあまり弱っている姿を見せない動物です。そんな猫が元気が無い姿を見せるということはそれだけ症状が深刻だということです。
何か病気で食欲不振が続く場合は、食欲不振以外の症状が出るはずなのでそのサインを見逃さずに受診し、他にどのような症状が出ているのか(黄疸や下痢・嘔吐など詳しくは「病気の場合」をどうぞ)を獣医に伝えて下さい。
高齢(シニア)猫がご飯を食べない原因と対策
ここでは高齢(シニア)に特化したご飯を食べない原因と対策をまとめました。高齢になるとどうしても食欲が低下します。一度に食べられる量も減ってくるので1日のご飯の回数も3~4回にしてあげると良いでしょう。
筋力の低下
加齢に伴う筋力の衰えは避けて通れません。アゴの噛む力が衰えてくるとそれまでの固いフードを食べにくくなり、食欲の低下につながります。フードの粒の大きさを変えたり、シニア用と書かれている中でも「軟らかさ」を売りにしたものに変更すると食欲が戻ることがあります。
また、キャットフードをぬるま湯でふやかしたり、ウェットフードとよく混ぜたりすることでも軟らかくなるので試してみて下さい。
食欲の低下(消費カロリーの低下)
高齢になるとどうしても寝ている時間が長くなり、運動量が減ってきます。当然、消費カロリーも低下するので若い頃と比べるとどうしても食欲が落ちてきます。これは肥満を避ける為に不要な栄養を摂取しないよう調整しているだけです。
この場合、より栄養価の高いものをあげることで少量でも十分な栄養をとることができ、筋力の維持につながるので、市販でよくみる「シニア用」のような低カロリー・低たんぱく・低脂質のフードではなく、栄養価の高いキャットフードを選ぶことをおすすめします。
絶食や深刻な食欲不振(明らかに食べる量が少ない)でなければ様子を見ても良いですが、加齢に伴う食欲の低下は運動量や筋肉量の低下に応じて少しずつ現れます。急激に食欲が落ちた場合は一度受診することをおすすめします。
口腔内トラブル(歯周病や虫歯など)
ペット保険の「アニコム損保」が行った調査では猫の手術に占める歯周病の割合は19.0%でした。虫歯や口内炎などは加齢に伴い免疫力が低下するので起こり易くなります。口元に触られるのを嫌がる子が多いんですが、日ごろから歯や歯茎などに異常が無いかチェックしてあげましょう。
寿命が近い場合
死期が近づいてくると、どんなに好物だったものでも食べる気力がなく、口にしてくれない状況になることがあります。食欲だけではなくお水も飲んでくれなくなります。もちろん病気の可能性もあるので病院で診断を受けてみましょう。
この場合、レバーペーストなど消化に良く・栄養価の高いものを無理やり口をあけて上あごや舌に塗ってあげることで食べさすことができます。無理やり食べさせることに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、なんとか食べさせて水分も切らさないようにしてあげましょう。
この頃になると粗相をしてしまうこともありますが、どうか怒らずに優しく見守ってあげて欲しいと思います。また、可能であれば「老衰を迎えた愛猫の最期にあなたができる事・死期の間際に見せる症状」も参考に最期を看取ってあげて下さい。
猫がご飯を食べずに寝てばかりいる原因と対策
ここではご飯を食べずに寝てばかりいる原因と対策についてまとめました。一般的に猫は1日16時間くらい寝て過ごすと言われています。なので人から見ればどんな猫でも寝てばかりに見えてしまうんですが、ご飯を食べないで寝ているというのは気になりますよね。
猫がご飯を食べずに必要以上に寝ている時に心配なのが「肝リピドーシス(脂肪肝)」です。猫は短期間の栄養失調が原因でも脂肪肝になります。 脂肪肝の主な症状としては食欲不振・嘔吐・下痢・黄疸 です。これらの症状にいち早く気付き、病院に連れていくことが大切です。
その為にも冒頭で挙げた「24時間の絶食」または「72時間の食欲不振」を参考にすると良いでしょう。栄養不足が原因で肝リピドーシスを起こすのには3日の絶食がボーダーラインと言われています。
寝てばかりいて食欲不振の場合、まれに水頭症も疑われます。その他の症状としては痴呆・元気がない・攻撃性・過食・視覚障害・けいれんなどです。ただ、犬では好発犬種がありますが、猫では珍しくほとんどが遺伝によるものなので子猫を除けば水頭症を心配する必要はないでしょう。
但し、本当は寝ていなくて「ひと目につかない場所でじっとしている」・「元気がない」・「触られるのを嫌がる」などの変化がみられる場合、骨折や外傷がありじっと回復を待っていることもあります。ご飯を食べないというのは良いことではないので上記以外にも「病気の場合」で挙げたような症状がないかもチェックしてあげて下さい。