手作りキャットフードのメリット・デメリットと簡単レシピ5選

加奈子
コタロー毎日キャットフードで飽きないのかな?
やっぱりたまには手作りのキャットフードを作ってあげようかな?
キャットフード博士
加奈子さん、ちょっと待って!
手作りキャットフードにはメリット・デメリットがあるの。
それを知らずに手作りキャットフードをあげるのはあまりおすすめできないわ。
小太郎
え、手作りのご飯って体に良さそうだけどデメリットがあるの?
デメリットってなんだにゃ!?
気になるにゃ、博士!もったいぶってないで早く教えてにゃ!!

 

 手作りキャットフードのメリット・デメリット

ここでは手作りキャットフードと市販のキャットフード、それぞれのメリット・デメリットをまとめました。どちらにも良い面・悪い面があるのでそれぞれのメリットを生かせるよう日々のトッピングや手作りと市販を半々など、あなたに合ったスタイルを見つけて下さい。

 

手作りキャットフードのメリット

水分量の確保

手作りキャットフードのメリットは何といっても「十分な水分をとってもらえる」という点です。猫は基本的に水分が不足しがちな動物です。なのでおしっこの濃度が上がり易く、犬よりも尿路結石などの病気にかかりやすいです。

 

一般的な市販のキャットフード(ドライ)だと水分量は10%以下ですが、手作り食にすることで1食あたりの水分量が60~80%になります。水が飲める場所を家の中にいくつか設置するなど、飼い主側の努力で水分摂取量を増やすことも可能ですが、猫はもともと積極的に水を飲む生き物ではありません。

 

これは猫の原種は砂漠地域で生息していたので、少量の水分だけで生活できるように体が作られている為と言われています。でも、猫は1日あたり体重1㎏に対して20~45mlの水分が必要と言われています。これを考えるとご飯と一緒に水分をとってくれるのが理想と言えます。

 

市販のドライフードではとれない栄養素が取れる

市販のドライフードは衛生管理上、材料を高温で焼き上げて作られています。その過程でビタミンや酵素などの壊れやすい栄養素は無くなってしまいます。トマトなど、生でも食べられる野菜もあるので生のまま与えることで水分の他に酵素もとることができます。

 

何を食べているかが良く分かる

市販のキャットフードって何が使われているのか分からない部分があります。添加物以外にも「〇〇ミール」など、たんぱく源となる動物の羽・腱・ヒヅメ・トサカなど、消化に良くない箇所なども使われているケースがあります。

 

手作りキャットフードをあげることで、当たり前ですが愛猫が何を食べているのか一つ一つ把握することができます。最近でこそ材料の質にもこだわったプレミアムフードが出てきましたが、「何を食べているのか分かる」単純なことですがすごく大切なことですよね。

 

手作りキャットフードのデメリット

手間とお金がかかる

まとめて作って置いたりコストコなどで大量に材料を仕入れるなど、工夫の仕方は色々ありますが、市販のキャットフードと比べれば手間とお金がかかることには違いありません。せっかく手作りしたのに好みに合わなくて食べてくれないなんてことだってあります。

 

保存にも手間がかかります。1食分ずつ冷蔵または冷凍で保存し、食べる時には温め直したり解凍しなければいけません。市販のキャットフードならお皿に入れるだけなので、手作りと比べるとかなり手間を感じてしまいます。

 

最低限の知識が必要

「猫が一日に必要とする栄養素」や「猫が食べられるもの・食べられないもの」など、最低限の知識が必要になってきます。火を通してもNGなネギ類の他、生がNGなイカやタコ、食べない方が良いものなんかもあるのできちんと勉強しておきましょう。

 

一日に必要な栄養素に関しては手作り食の頻度にもよりますが、市販のキャットフードなら袋から出してお皿に盛るだけなのに対して、手作り食ではまず勉強から入らなければいけません。調理法によっては栄養素を壊してしまうこともあるので、「栄養素を生かす調理法」についても勉強が必要になってきます。

 

必ず定期的な検査

これは手作り食の頻度によっては必要になります。市販のキャットフード(総合栄養食)はそれと水だけで栄養的には十分健康な生活がおくれるように作られています。でも手作りキャットフードの場合、は本当にきちんと栄養をとれているのかを確認する為にも、定期的な検診が必要になります。

 

ただ、これに関しては手作り食の頻度によります。普段は「総合栄養食」のキャットフードを食べているのであれば、1週間のうち1食程度、栄養が偏っても健康に影響を与えることは少ないでしょう。逆に毎食手作りの場合は最初の1年くらいは1~2ヵ月に一度、血液検査などで栄養に偏りが無いか検査することをおすすめします。

 

市販のキャットフードを食べてくれなくなるかもしれない

手作りキャットフードに慣れてくると、市販のキャットフードを食べなくなってしまう子もいます。万が一あなたが病気で入院しなければいけなくなった場合、手作り食しか食べられない状態だと心配ですよね?そうならない為にも、手作り食を取り入れるのであれば理想は手作りと市販で半々くらいがおすすめです。

 

市販のキャットフードのメリット

「総合栄養食」はスーパーフード!?

「一般食」や「療法食」などもあるので注意して欲しいんですが、「総合栄養食」と書かれているキャットフードはそれと水だけで「猫が一日に必要とする栄養素をおぎなえる」ように栄養素を計算して作られています。

 

栄養素を気にする必要はありませんし、お皿に移すだけなので調理方法に気を使う必要もありません。「お手軽さ」という面では手作り食には絶対にかなわない部分と言えます。代表的なのが「AAFCO(米国飼料検査官協会)」です。

 

「総合栄養食」と書かれているキャットフードには「AAFCOの基準を満たしています」などと書かれているものが多く、「ペットフードの最低基準(猫が一日に必要とする最低限の栄養)」を公表しているのがAAFCOです。

 

その為、「総合栄養食」と書かれていればだいたいはAAFCOの基準を満たしていますが、手作り食の場合は頻度にもよりますがAAFCOが公表している「猫が一日に必要とする最低限の栄養素」について勉強が必要になります。

 

日持ちする

キャットフードの種類やメーカーにもよりますが、未開封なら半年~1年程度、開封後は1ヵ月程度なら常温で保存が可能です。手作りだと「小分けして冷凍」など手間がかかる分、市販のキャットフードは保存が楽なのもメリットとしてあげられます。

 

市販のキャットフードのデメリット

何が入っているか分からない

市販のキャットフードをあげる場合、私達がチェックできるのは「原材料」欄に書かれた内容と、メーカーのホームページの内容くらいです。記載内容に嘘が書かれていることは少ないでしょうが、「国内で人用の食品であっても食品表示法に違反」する例があります。

 

飲食店などで多いですよね、「○○牛コース」と書かれているのに実際には「〇〇牛でない和牛を使用」していたなどの内容でニュースになったりもしています。人用であってもこんな状況なので、キャットフードとなると尚更不安ですよね。

 

当サイトでも各メーカーのキャットフードに対して「4Dミール」や「人口添加物」などを厳しくチェックしていますが、あくまで「原材料欄とメーカーホームページに記載のある情報を元」にチェックしているに過ぎません。

 

万が一、表示に偽装があった場合は見破る手段がないのでメーカーホームページなどからどんな想いでどんな材料を使っているのか?などを読み取る他ありません。この点は手作り食にはかなわないデメリットと言えます。

 

水分が不足しがち

ドライフードに限った話しですが、日持ちさせる為(衛生上)に水分量が10%以下で作られています。その為、ご飯から水分を摂取することが難しい為、お水を飲んでくれるように飼い主側で工夫が必要です。ウェットフード(猫缶)であれば効率的に水分を補給することができます。

 

手作りキャットフードの基本的な考え方

ここでは手作り食を取り入れるにあたって覚えておいて欲しい基本的な考え方や栄養素についてまとめました。手作り食に興味がある・現在手作り食に挑戦中!という方は参考にしてみて下さい。

 

手作りキャットフードの5原則

  1. お肉・お魚をメイン(全体の半分以上)に作る
  2. 青魚をメイン(常食)にしない
  3. お米などの穀物は控えめ、または避ける
  4. レバーなど、ビタミンAを意識してメニューに入れる
  5. 脂質は動物性・植物性をバランス良く

 

1、猫は完全な肉食動物です。猫が必要とする栄養素の多くは肉や魚に多く含まれているので少なくとも 肉や魚が全体の半分以上(理想は7割) の割合になるように作ってあげましょう。(嗜好性も良くなります)

 

2、青魚の食べ過ぎはイエローファット(黄色脂肪症)の原因になります。1週間に1度程度なら全く問題ありませんが、毎日メインのたんぱく源として与えるのはやめましょう。

 

3、お米やトウモロコシ・小麦など穀物は消化に悪く、食物アレルギーを起こしやすい食材なので控えましょう。お米は消化に良いんですが、糖質が高く太り易い食材です。

 

4、猫は体内でビタミンAを作ることができないので、食事からビタミンAをとらなくてはいけません。レバーに多く含まれる栄養素で、不足すると成長不良や食欲不振などの症状を起こします。

 

5、オメガ6脂肪酸は主に肉やレバー、コーンやベニバナ油などに含まれています。オメガ3脂肪酸はえごま油・亜麻仁油の他青魚に含まれています。なのでオメガ6は肉が多めの手作りご飯の仕上げに食用油を人さじ回しかければOK、オメガ3は魚やサーモンオイルなどを利用すると楽です。

 

【重要!】猫が一日に必要とする栄養素まとめ

栄養素 単位 AAFCO

用猫用基準

AAFCO

成猫用基準

 たんぱく質 % 30.0以上 26.0以上
アルギニン % 1.25以上 1.04以上
ヒスチジン % 0.31以上 0.31以上
イソロイシン % 0.52以上 0.52以上
ロイシン % 1.25以上 1.25以上
リジン % 1.20以上 0.83以上
メチオニン+シスチン % 1.10以上 1.10以上
メチオニン % 0.62~1.5 0.62~1.5
フェニルアラニン+チロシン % 0.88以上 0.88以上
フェニルアラニン % 0.42以上 0.42以上
トレオニン % 0.73以上 0.73以上
トリプトファン % 0.25以上 0.16以上
バリン % 0.62以上 0.62以上
 脂肪 % 9.0以上 9.0以上
リノール酸 % 0.5以上 0.5以上
アラキドン酸 % 0.02以上 0.02以上
ミネラル %
カルシウム % 1.0以上 0.6
リン % 0.8以上 0.5以上
カリウム % 0.6以上 0.6以上
ナトリウム % 0.2以上 0.2以上
塩化物 % 0.3以上 0.3以上
マグネシウム % 0.08以上 0.04以上
㎎/㎏ 80以上 80以上
㎎/㎏ 15以上(ドライ) 5以上
5以上(缶)
マンガン ㎎/㎏ 7.5以上  7.5以上
亜鉛 ㎎/㎏ 75~2000 75~2000
ヨウ素 ㎎/㎏ 0.35以上 0.35以上
セレン ㎎/㎏ 0.1以上 0.1以上
ビタミン・その他
ビタミンA IU/㎏ 9000~750000 5000~750000
ビタミンD IU/㎏ 750~10000 500~10000
ビタミンE IU/㎏ 30以上 30以上
ビタミンK ㎎/㎏ 0.1以上 0.1以上
チアミン(B1) ㎎/㎏ 5.0以上 5.0以上
リボフラビン(B2) ㎎/㎏ 4.0以上 4.0以上
パントテン酸(B5) ㎎/㎏ 5.0以上 5.0以上
ナイアシン(B3) ㎎/㎏ 60以上 60以上
ビタミンB6 ㎎/㎏ 4.0以上 4.0以上
葉酸 ㎎/㎏ 0.8以上 0.8以上
ビオチン ㎎/㎏ 0.07以上 0.07以上
ビタミンB12 ㎎/㎏ 0.02以上 0.02以上
コリン ㎎/㎏ 2400以上 2400以上
タウリン % 0.10以上(ドライ) 0.10以上(ドライ)
0.20以上(缶) 0.20以上(缶)

出典:ウィキペディア「キャットフード」ページhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89

 

上記はウィキペディアに載っているAAFCOのキャットフード用栄養基準です。よく、手作り食をすすめるサイトや獣医の中には「あまり固く考えずに気楽に始めましょう」といった内容が書かれています。この点に関しては当サイトも同じ考えです。

 

最初からきっちりと完璧なものを作っても、手作りキャットフードに慣れていない子は警戒して食べない場合があります。「時間をかけて勉強して完璧な栄養バランスの手作りご飯を作ったのに食べてくれなかった…。」これでは長続きしないからです。

 

ただ、「やるからにはとことん良いごはんを作ってあげたい」という方の為に、参考として上記をまとめました。もちろん上記を満たした手作りキャットフードを毎食作れるのであれば市販の優れた総合栄養食よりも健康的であることは言うまでもありません。

 

猫の好みを把握してその子好みの手作りキャットフードに仕上げる!

  • 好きな食べ物(肉・魚・野菜など)
  • 調理方法(加熱時間・焼き・ボイル・生など)
  • 大きさや形(ゴロゴロの大きさ・丸のみできる大きさ・ペーストなど)

 

猫の好みは単純にお肉か魚か?といった内容だけでなく調理時間や大きさなどによっても大きく分かれます。(全く気にしない子もいます)これは色々な方法をミックスしながらその子にあった好みを探していくしかありません。

 

例えば、生の野菜は全く食べてくれないのに割と大きめに茹でた野菜が好きな場合もあるでしょうし、焼いた香ばしい魚よりも生で食べれる新鮮な刺身の方が好きな子もいます。好きなものと苦手なものをペースト状に混ぜ合わせることで、苦手な食材を克服することも出来ます。

 

おすすめの方法としては、1つの食材をあなたのできる調理方法・大きさで少しずつ調理し、少しずつご飯の時のトッピングに加えてみて下さい。好きなものに関してはいつもよりも食いつきが良くなりますし、苦手なものは避けて食べるようになります。

 

一般的な猫の好みをご紹介!


愛猫の好みを手探りで探すことも大切ですが、一般的な猫の好みを知ることでその子の好みをより早く知ってあげることができるかもしれません。ただ、あまりこの内容にとらわれずに「一般的な猫の好み」として参考に取り入れてみて下さい。

 

  • 食感・・・とろみがある方が好き(猫缶など)
  • 温度・・・人肌くらい(35度前後)
  • 高たんぱく
  • 低炭水化物

 

上記はそれぞれ実際に研究を行った結果で、特に「高たんぱく」&「低炭水化物」に関してはペットフード会社が行った研究(食べたいものを好きに食べさせる)で「猫は自分に必要な栄養素をバランスを取りながら食べる」ということが分かっています。

 

つまり、肉食動物である猫は「たんぱく質が大事、炭水化物は少なくて大丈夫」と自分で理解して食事していることになります。これは面白いですよね、手作りならまとめて一皿にせずに各材料を別々のお皿にのせて出してあげても良いかもしれません。

 

すると、「お肉はこれくらい、野菜はこれくらい、炭水化物はちょっと」といった感じに自分で必要な分だけを食べるかもしれませんね。(実験の結果は100匹以上の猫がみなそれぞれたんぱく質・脂質・炭水化物の摂取量が同じくらいだったそうです)

 

Cat Feeding Behaviour and Preference

Geometric analysis of macronutrient selection in the adult domestic cat

 

超簡単!手作りキャットフードのレシピ5選

ここではお手軽な手作りキャットフードを5つご紹介します。お手軽さを重視しており、AAFCOが公表している必須栄養素については意識していないのでご注意下さい。

 

Cat飯(ふわっとお魚)

引用元:https://cookpad.com/recipe/3185652

 

さっと湯通ししたタラをほぐして小魚や野菜と和えるだけの簡単レシピ!湯通しした際の煮汁で野菜も一緒に似て煮汁と一緒にあげることで水分を効率よく摂取できます。(タラは味の付いていないものを使いましょう)

 

サーモンのリゾット風

引用元:https://cookpad.com/recipe/1172636

 

多めのお湯にご飯や小さく切った野菜・鮭を入れて具材が煮えたら仕上げにオリーブオイルを入れれば完成!人肌に冷ましてからあげましょう。

 

なんでもかんでもごった煮

引用元:http://www.necologystyle.com/recipe/chiken/gottan.php

 

お肉や魚を一口大にカットしたらかつお節で出汁をとった鍋に具材を入れて柔らかくなるまで煮込むだけ!人肌に冷ましてからあげましょう。

 

手作りシーチキン

 

閉店間際に安くなったマグロを煮ても良し、表面にオリーブオイルを塗ってレンジでチンでも良し!小分けにして冷凍にすれば1ヵ月は使える、主食に使える定番メニュー。

 

猫のためのネギトロ丼

引用元:http://www.necologystyle.com/recipe/komatsuna/negitoro.php

 

ネギ(ネギは使ったらダメ!)の変わりに軽く湯がいた小松菜を刻んでマグロの刺身と一緒に叩きます。ご飯の上に乗せたら仕上げてに大葉をトッピングして完成!

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