猫の膀胱炎に効く薬やフードは?血尿が出たら病院に行った方がいい?

キャットフード博士
ここでは猫の膀胱炎に効く薬(抗生物質)やサプリメントやキャットフード。
血尿が出た時の対処法など猫の膀胱炎に関する疑問や知識についてまとめました。
病院で猫が膀胱炎と診断された方や、膀胱炎の症状が出ている気がする方は参考にしてみて下さい。
加奈子
膀胱炎で病院にいった時の金額についてもまとめてあるわ!
小太郎
ヒルズとロイヤルカナンから出てる膀胱炎用のご飯は比較表になってて分かり易いにゃ!
あ、でも療法食は獣医さんと相談しながら決めないとダメだにゃ!

 

猫の膀胱炎の原因は?薬(抗生物質)やサプリメントって効くの?

細菌性膀胱炎
一般的な膀胱炎です。尿道から細菌が膀胱まであがっていき膀胱内で炎症を起こす他、尿結石が見つかることもあります。細菌性であれば「抗生物質」を使います。尿結石の場合は結石の種類によって尿中の結石を溶かす「療法食」を与えたり、手術で取り除きます。
特発性(原因不明)膀胱炎
2歳~6歳で起こる膀胱炎は半数以上が特発性のケースです。その名の通りで原因は分かりませんが膀胱炎の症状が現れます。細菌や尿結石が見つからず原因が不明な為、「痛み止め」や「飲水量を増やす」ことでおしっこを促す。ストレスケアを目的とした「療法食」を与えるケースもあります。

 

基本的に猫の膀胱炎治療は原因菌を特定してその菌に対して最も効果がある抗生物質を投与していきます。猫の細菌性膀胱炎の場合、大腸菌・ブドウ球菌・プロテウス属が症例の半数を占めます。大体1週間分を処方されて飲み終わる頃に再検査を受けて薬が効いているかを診ていく感じになります。

 

ただ、尿検査しても細菌や結石が見られない場合は「特発性(原因不明)膀胱炎」ということになり、治療が難しくなります。肥満や血統・水分不足やストレスなどが原因と考えられていますが、細菌が原因でないので「痛み止め」や「抗不安薬」などを処方したり水分の多いウェットフードなどを与えたりします。

 

また、ロイヤルカナンの「pHコントロール+CLT」やヒルズの「c/dマルチケアコンフォート」など猫の特発性膀胱炎に配慮し再発を89%抑えた(ヒルズ)というフードもあるのでこういったフードを処方されることもあります。

 

猫の膀胱炎に対するサプリメントの効果について

例えば、ストルバイト結石が原因で膀胱炎を起こしている場合は尿を酸性化する目的のサプリメントなどをあげると効果はあるかもしれません。ただ、サプリメントという時点で薬のような効果は期待できません。また、シュウ酸カルシウム結石の子に酸性尿にするサプリメントを与えれば逆効果になります。

 

ストルバイト結石の原因
尿pHがアルカリ性に傾くことで結石化し易く1~6歳の猫に多い結晶。細菌感染が原因とも考えられている。その他に「シュウ酸カルシウム結石」といって尿が酸性に傾くと結晶化し易いものもある。その他の結石もあるが大体結石の原因はこの2パターン

 

細菌性や結石性膀胱炎であれば、原因も分かっているのでサプリメントも見つけやすいですが特発性の場合は原因が分からない以上、むやみにサプリメントを試すことは得策ではありません。効果を認められている療法食を与えて症状が落ち着いてから獣医にサプリメントを相談してみましょう。

 

猫の膀胱炎の症状は?血尿が出たら病院に行った方がいいの?

  • ぐったりして元気がない
  • 食欲不振
  • 発熱
  • 水を飲む量が増える
  • おしっこの回数が増える(痛みから1回の量は減る)
  • おしっこの色が濃い
  • おしっこがにごる
  • おしっこの時に鳴く(痛みから)
  • 粗相(トイレ以外の場所でおしっこをする)
  • 血尿
  • 尿の臭いが強い

 

これらの症状の多くは尿路結石などでも似た症状が現れる為、症状だけでは膀胱炎なのか尿路結石なのかといった見分けは付きません。血尿が出る場合は尿結石を併発している可能性もあります。膀胱炎だけであれば自然治癒することもありますが、症状だけでは膀胱炎か尿結石かは分かりませんし、どの程度進行しているのかも分かりません。

 

基本的には早期発見した方が治療もスムーズに進むので上記のような症状が見られた場合は病院で受診することをおすすめします。特に血尿が出ていたり・しばらくおしっこをしていない・おしっこが少量しかでないといった場合は早急に受信しましょう。

 

猫の膀胱炎に効果があるキャットフードやエサ

基本的に「膀胱炎に効くキャットフードやエサ」はありません。ただ、膀胱炎の原因となる尿結石やストレスが原因とみられる特発性膀胱炎に効果がある療法食などはあります。ただ、動物病院であれば獣医から各症状に合わせたフードを紹介されます。また治療中は基本的に獣医の指示に従って下さい。

 

療法食を与えた治療を行っている最中に勝手にフードを切り替えると治療の妨げになったり、症状を悪化させる可能性もあります。「療法食を食べてくれない」といったケースも獣医に相談してから切り替えるようにしましょう。ちなみに療法食は「ヒルズのサイエンスダイエット」と「ロイヤルカナン」をまとめましたが、メーカーによる効果の差は比較していません。

比較表の注意点
あくまで同一メーカー内での評価となっているので注意して下さい。基本的にヒルズの「s/d」以外は治療・維持食になっています。「s/d」のみ治療食なのでストルバイトを溶かす効果は高いので治療には向いていますが、完治後に予防の為に食べ続けるのには向きません。

 

メーカー 商品名 対象 効果
ヒルズ s/d  ストルバイト
c/dマルチケア ストルバイト

シュウ酸カルシウム

c/dマルチケアコンフォート ストルバイト

シュウ酸カルシウム

特発性

ロイヤルカナン pH0 ストルバイト

シュウ酸カルシウム

pH1 ストルバイト

シュウ酸カルシウム

pH2 ストルバイト

シュウ酸カルシウム

pHライト ストルバイト

シュウ酸カルシウム

pHオルファクトリー ストルバイト

シュウ酸カルシウム

pH+CLT ストルバイト

シュウ酸カルシウム

特発性

pH+満腹 ストルバイト

シュウ酸カルシウム

 

治療にかかる費用は?

膀胱洗浄の費用(円) 割合(%)
無料 0.3
500円未満 0.3
500~1,000 4.2
1,000~2,000 24.4
2,000~3,000 29.6
3,000~5,000 22.1
5,000~7,500 9.5
7,500~10,000 1.7
10,000~12,500 1.7
12,500~15,000 0.4
15,000~17,500 0.5
17,500~20,000 0.1
20,000~25,000 0.2
25,000~30,000 0.2

出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査」H27.6

膀胱炎によって膀胱の洗浄が必要であれば上記のような費用で洗浄を行います。その前に尿検査があり、尿の採取を自分で行う場合は無料ですが、動物病院でお願いすることも可能で場合によっては採取料(1,000~2,000円程度)を取られることがあります。また、尿検査自体は500~3,000円程度になるところが多いです。

 

上記以外にも初診料が1,000~2,000円程度、薬代が2,000~3,000円程度、薬を飲み終わってから経過を見る為に再診料が500~1,000円程度かかると思って良いでしょう。状態によって薬をどれくらい飲み続けるか?検査に何回行くかにもよりますが、だいたい 平均すれば10,000~15,000程度 といったところでしょうか。

 

症状が酷い場合は効果が持続する抗生物質の注射薬を使用することもあり、これがだいたい1回5,000円程度です。また、尿検査をしても細菌が出なければ超音波などで尿路に結石が無いか検査し、また別途費用がかかります。動物病院でかかる費用は獣医が自由に決められることになっているので、治療を始める前に費用がいくらかかるのか確認してから受けた方が良いでしょう。

 

猫の膀胱炎が自然治癒と再発を繰り返して治らない原因

犬の膀胱炎の場合、は細菌が原因となるケースが多いんですが猫の場合は特発性(原因不明)のケースが多く、2/3が特発性と言われています。特に若い猫に多く見られ、自然治癒と再発を繰り返すタイプの膀胱炎です。通常の細菌性の膀胱炎であれば、原因菌に合った薬を飲むことで1週間程度で完治します。

 

通常は1週間程度で症状が引いてきますが1~2年の間に半数は再発すると言われています。また、症状が慢性化し結石を好発したりしますが歳をとるにつれて再発の頻度が下がっていくことが多いです。「トイレ環境に問題」が無いか・水はつねに新鮮なものを2~3箇所用意し、ウェットフードをあげるなど飲水量を増やしておしっこを定期的にさせてあげて下さい。

 

ウェットフードだと食べかすが気になる場合はささみ肉を茹でただけのお湯で寒天ゼリーを作っておやつにあげるとそれだけで低カロリーで水分補給になるので試してみて下さい。寒天は繊維質が豊富なのでサイコロより一回り大きいくらいのサイズを1回1個あげる程度にして下さい。

 

猫って膀胱炎で死ぬことがあるの?

膀胱炎が直接の死因となることはありません。ただ、膀胱炎と似た症状(おしっこが出ない・血尿など)が出る病気で亡くなる可能性はあります。例えば若い子ではあまり見られませんが膀胱がんなどは直接の死因になります。似た症状が出る病気では尿結石もあります。

 

共通して言えることとしては「おしっこが出ない状態が続くと危険」ということです。おしっこを排泄できないと老廃物が血中に溜まってしまい尿毒症を起こしてしまう為です。また、膀胱炎が悪化すると腎盂腎炎を起こし、最悪の場合はショック死することもあります。

 

おしっこが出ない・血尿といった症状の原因が膀胱炎であれば、適切な治療を行えば怖い病気ではありませんが、膀胱がんや腎盂腎炎などを起こしている場合は亡くなる可能性があります。

 

子猫でも膀胱炎になることってあるの?

早ければ生後1~2ヵ月の子猫でも膀胱炎を含めた泌尿器疾患は発症します。泌尿器疾患はどれも似たような症状が出るので検査してみないことには分かりませんが、膀胱炎や尿結石は子猫でもよく起こる病気です。多くの飼い主は「粗相」や「おしっこが出ない」・「排尿の際に鳴く」といった異常で気づきます。

 

膀胱炎だけなら抗生物質で良くなりますが、おしっこをした部分(シートや砂)がキラキラ光っている場合は尿結石の可能性もあります。尿結石も併発している場合は療法食なども必要になるので、獣医に相談して下さい。獣医の中には話しをあまり聞いてくれない方もいるので心配であればセカンドオピニオンも検討して下さい。

 

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