ちょっと早すぎるよね。
認知症の症状とかサプリメントの効果、予防方法なんかをまとめたにゃ!
「猫が急に夜鳴きをするようになった」これって認知症?
猫も認知症を発症します。少し前までは猫の寿命は「10歳生きれば長生き」という時代でしたが、キャットフードの改良などで最近の猫は本当に長生きになりました。それに伴って認知症を発症する子が増えてきています。11歳以上から少しずつ症状を見せるようになり、15歳を過ぎる頃にはよりはっきりと症状が現れます。
初期の場合は夜鳴きの頻度も少なく3日に1回などのペースで、まだ名前にも反応したりします。ただ、症状が進行するにつれて他の症状と重なったり、夜鳴きの頻度が増えて毎晩鳴くようになったります。認知症であれば進行性の病気で 早期に発見し、食事療法やサプリメントで進行を遅らせるのが効果的 です。
認知症の初期はまだあまり目立った症状が見られないこともあります。検査では病気の可能性を一つずつつぶしていくので認知症と診断されるまでには時間がかかるケースがめだちます。認知症はストレスも良くないとされています。病院が苦手な子にはストレスとなりますが、セカンドオピニオンも積極的に取り入れて早期発見に努めましょう。
猫の認知症でよく見られる症状
- 意味もなく鳴き続ける
- 夜鳴きをするようになる
- 何をする訳でもなくウロつく(徘徊)
- 睡眠時間や間隔の変化
- 一定方向にぐるぐる回る
- 自傷行為(舐め続ける・噛み続ける)
- グルーミングをしなくなる
- 粗相(トイレの失敗)が増える
- 食欲不振・亢進(よく食べる)
- 名前を呼んでも反応しない
- 攻撃的になる(怒り易くなる)
上記の他に、方向転換や後退ができなくなるといった症状が出ることもあります。例えば、部屋の壁に行きついた時に方向を変えずに何度も頭をぶつける、狭い所に入って後退して出てこれなくなるといった、以前できていたことが出来なくなるといった症状も認知症の症状としてあげられます。
ただ、粗相や食欲が増える・減るなどの症状は他の病気でも起こる症状です。今までと比べて明らかに食欲に変化が見られる場合や、急に粗相するようになったら認知症なのか?別の病気なのかを判断する為にもまずは検査を受けましょう。
猫の認知症は犬と比べると他の病気と似た症状が多く、同じ薬でどちらの病気にも効果が出るものもあるので認知症の判断が難しいと言われています。しっかりとした検査を受けて、認知症と似た症状が出る病気を一つずつしらみつぶしに除外していき、最終的に認知症と判断します。
猫の認知症はサプリメントで予防できないの?
認知症を起こした猫に多く見られる変化としては「極めて小さい脳出血や梗塞」・「老人班の沈着」・「神経線維束の形成」などがあります。「老人班」は人間のアルツハイマー型認知症の初期症状として最も良くみられる症状で、老人班と呼ばれるたんぱく質が大量に発生・沈着し、神経細胞死が急速に広がります。
分かっていることとしては上記くらいのもので他にはっきりとした原因が分かっていない為、予防方法がありません。薬ですら認知症を改善することはできません。薬でできるのは進行を遅らせるくらいです。そうなると次に頼りたくなるのがサプリメントです。
ただ、サプリメントは改善効果が期待できる栄養素を含んでいるだけで、改善効果が認められている訳ではありません。(効果が認められれば薬になります)認知症の改善が期待できる栄養素としては主に次のようなものがあります。
- オメガ3脂肪酸:認知機能改善・認知症予防
- フェルラ酸:老人班の沈着を予防
- レシチン:神経伝達物質の成分・記憶機能の活性化
オメガ3脂肪酸は主に魚の脂に多く含まれる成分で、サプリメントなら「サーモンオイル」やアズミラの「メガオメガ3」といった商品があります。必須栄養素なので「総合栄養食」と書かれているキャットフードにも最低量は含まれています。
フェルラ酸は米糠に多く含まれる抗酸化成分です。米糠を使ったキャットフードもありますが、極めて消化に悪いので「フェルガード」という犬猫用のサプリメントがあるのでこのようなサプリメントで補うのが良いでしょう。
レシチンは「フォスファチジルコリン」とも呼ばれ、肉や卵・大豆などに多く含まれる成分です。大豆は消化の面では推奨できないのでグレインフリー(穀物不使用)のフードを選べば自然と肉や魚の使用量が増えます。オメガ3脂肪酸も考えると肉と魚をバランスよく使ったグレインフリーフードが良さそうですね。
猫の認知症予防には脳の活性化が有効
- 目を見ながら話しかける
- 名前を呼んで話しかけながらスキンシップ
- 新しいおもちゃなどを与える
- 遊びの工夫
上記のようなコミニケーションは人間の認知症で治療の一環としてよく行われる内容で、脳を活性化させることで予防に効果があるとされています。「見つめる」・「話しかける」・「触れる」といった刺激と一緒に今までにない新たな刺激(新しいおもちゃなど)を与えることが脳の刺激になります。
ただ、認知症はストレスも原因とされているので猫が嫌がるようなことはせずに、できるだけリラックスした生活を送れるように手伝ってあげて下さい。
猫の認知症治療
- ドーパミンの生産量を増やす「アニプリール」など、薬の投与
- 抗酸化物質を含んだフード
- ストレスの軽減
- 粗相などのケア
- コミニケーションを増やす
認知症は慢性で進行性の病気です。その為、現時点でできる治療は進行を遅らせることしかできません。その為、早期発見しできるだけ初期段階で治療を行い進行を遅らせるのが最も大切です。まずは抗酸化成分を配合した療法食から始め、症状が進行するようならサプリメントも使用します。
それでも進行するようなら薬を使用します。病気の進行具合にもよりますが認知症と診断された場合、経過を診る為にも定期的な検診が必要になります。
猫は早い子だと7歳以降、一般的には11歳以降で認知症の症状が出てきます。
全ての子が認知症を発症する訳ではありませんが、「うちの子もしかして…」といった心当たりのある方は参考にしてみて下さい。