少し日本製・国産キャットフードの選び方と、なぜ国産のキャットフードが海外ブランドに比べて危険なのかをご紹介しますね。
ヒトの食べ物に関して国産が安全っていうのは僕も同じ考えだけど、僕たちのご飯に関しては事情がちょっと違うにゃ。
「なんとなく国産の方が安心だから…」って理由で選んでる人はちょっと目を通して欲しいにゃ。
目次
【日本製・国産】のキャットフードを選ぶうえで外せない3つの条件
ここでは【日本製・国産】のキャットフードを選ぶ際の基準となるポイントを3つに絞ってご紹介します。国産で全ての条件をクリアするフードは少ないので、一つでも条件を多く満たせるフードを選んであげると良いでしょう。
日本製・国産キャットフードを選ぶ時は「グレインフリー(穀物不使用)」を選ぶ
- グレインフリー(穀物不使用)=〇
- 「小麦・トウモロコシ・大豆」は不使用だがそれ以外の穀物を使用=△
- 小麦・トウモロコシ・大豆の使用=×
猫は完全な肉食動物で、穀物の消化能力は犬よりも劣ります。食べられない訳ではありませんし、穀物にも栄養素は含まれていますが消化・吸収が難しく穀物に含まれる栄養を取り込むのは困難です。
また、小麦・トウモロコシ・大豆は猫も人間同様に食物アレルギーを起こしやすい食材です。米はアレルギーのリスクは低いですが糖質が高く太りやすくなります。基本的には グレインフリー(穀物不使用)が望ましい です。
また、原材料欄を見て肉や魚が一番最初に書かれていることも大切です。原材料欄は使用量の多い順番に書かれている為、穀物が最初に書かれているフードはそれだけ消化に悪いということになります。
日本製・国産キャットフードを選ぶ時は「総合栄養食」を選ぶ
「JPスタイル」や 「メディファス」といった国産の大手メーカーについては全て「総合栄養食」になっています。気を付けたいのは「無添加や材料にこだわった少量生産のメーカー」です。
無添加や材料にこだわるのは良いんですが、総合栄養食としての基準を満たしておらず長期的に食べ続けることで必須栄養素が不足して病気になる可能性があります。国産のナチュラル系フードを選ぶ際は 必ず「総合栄養食」と書かれたものを選びましょう。
世界的に認められた小動物の栄養基準となっているAAFCO(全米飼料検査官協会)の分析試験による栄養基準、または給与試験プロトコールを採用したフードで、犬や猫に水と一緒に与えるだけで健康を維持できるよう栄養バランスが調整された食事。
日本製・国産キャットフードを選ぶ時は「無添加」を選ぶ
当サイトでは「保存料・化学合成された酸化防止剤・着色料・香料」を人口添加物としています。キャットフードは全体の1~2割が脂質なので酸化防止剤を使用しない訳にはいきません。
なので酸化防止剤はミックストコフェロール(ビタミンE)や緑茶エキス・ローズマリーエキスなど、天然の酸化防止剤を使用しているものを選びましょう。保存料は腐るのを防ぐ為に微生物の増殖を抑える殺菌剤なので絶対NG。
猫の嗜好性に色味は無関係なので着色料は不要です。香料は天然のものだと「香料(〇〇)」みたいな感じで表示することが多いです。単純に「香料」とだけ表示されているものは科学的に作られた香料の可能性が高いので避けましょう。
【日本製・国産】のキャットフードを徹底比較!
メーカー名 | グレインフリー | 総合栄養食 | 無添加 |
---|---|---|---|
ねこはぐ | △ | 〇 | 〇 |
ヴィジョンズ | × | × | 〇 |
シェフキャット | △ | × | 〇 |
デイリースタイル | × | × | 〇 |
JPスタイル | × | 〇 | 〇 |
ランフリー | × | 〇 | 〇 |
無添加キャットフード安心 | △ | × | 〇 |
日本のみのり | △ | 〇 | 〇 |
メディファス | × | 〇 | 〇 |
ビューティープロ | × | 〇 | 〇 |
プロステージ | × | 〇 | 〇 |
ミオドライ | × | 〇 | × |
銀のスプーン | × | 〇 | × |
懐石 | × | 〇 | × |
ねこ元気 | × | 〇 | × |
ドクターズケア | × | ×(療法食) | 〇 |
キャネットチップ | × | 〇 | × |
キャラットミックス | × | 〇 | × |
コンボ | × | 〇 | × |
ミャウミャウ | × | 〇 | × |
スマック | × | 〇 | × |
※「総合栄養食」については商品ページに記載があるかで判断しています。(メーカーに直接確認をとった訳ではありません)
【日本製・国産】のキャットフードのおすすめランキング
ねこはぐキャットフード
国産&無添加で総合栄養食なので安心
ねこはぐキャットフードは国産&無添加で総合栄養食のキャットフードです。使用している材料もヒューマングレード(人が食べられる品質)を使用しています。また、一般的なキャットフードとは違い、オイルコーティングをしていないので酸化の心配も少ない安全面にとことんこだわった国産キャットフードです。
価格 | 【通常価格】6,980円/1.5㎏ 【定期なら5,980円】 【初回は3,980円】 |
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総合評価 | |
備考 | 穀物の使用あり/お試し価格あり/国産若鳥を使用 |
1㎏あたりの価格 | 穀物 | メイン食材 |
---|---|---|
4,653円【定期なら3,986円】【初回は2,653円】 | 大麦・玄米・黒米・赤米 | 九州産若鳥 |
総合栄養食 | 酸化防止剤 | 保存料 |
不使用 | 不使用 | |
着色料 | 香料 | ライフステージ |
不使用 | 不使用 | 全年齢対応 |
ねこはぐキャットフードは完全なグレインフリーとはいきませんが、猫が食物アレルギーを起こしやすい3大穀物は不使用です。正直高いフードですが定期コースや初回3,000OFFなど、お得な割引があるので試してみてはどうでしょうか?値段よりも「国産で安全」なものを選びたい方におすすめのキャットフードです。
日本のみのり
牛肉ベースの国産無添加キャットフード
日本のみのりは牛肉がベースの国産無添加キャットフードです。メインの材料が「牛肉」ではなく「牛肉粉」なのが少し残念な部分です。牛肉粉は生の肉と比べて材料費を抑えられますが、その分失われる栄養素も多いです。たんぱく質が50%と超高たんぱくなので体質に合わずに下痢や嘔吐をする子もいるかもしれません。その場合はたんぱく質が低めのねこはぐやランフリーを試してみて下さい。
価格 | 【通常価格】1,980円/500g |
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総合評価 | |
備考 | 穀物の使用あり/国産の牛肉粉を使用/たんぱく質と脂質のバランスが悪い |
1㎏あたりの価格 | 穀物 | メイン食材 |
---|---|---|
3,960円 | 玄米 | 牛肉粉(国産) |
総合栄養食 | 酸化防止剤 | 保存料 |
不使用 | 不使用 | |
着色料 | 香料 | ライフステージ |
不使用 | 不使用 | 全年齢対応 |
日本のみのりは食物アレルギーを起こしやすい小麦・大豆・トウモロコシ不使用の国産の無添加キャットフードです。材料も極力国産にこだわって作られています。値段よりもとにかく「国産で安心してあげられるもの」を求めている方におすすめです。
ランフリーキャットフード
穀物を使用した国産キャットフード
ランフリーのキャットフード(桜姫鶏 キトン)は鶏肉がベースの国産無添加キャットフードです。総合栄養食なのでランフリーと水だけで必要な栄養素を補うことができます。残念ながらトウモロコシ・小麦・大豆を使用しており、穀物にアレルギーがある子は食べられません。穀物にアレルギーが無い子であればおすすめできる国産キャットフードです。
価格 | 【通常価格】5,400円/800g |
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総合評価 | |
備考 | 価格が高すぎる/穀物の使用あり/脂質が低め |
1㎏あたりの価格 | 穀物 | メイン食材 |
---|---|---|
6,750円 | コーンフラワー・小麦ふすま・きな粉 | 姫路鶏むね肉皮なし |
総合栄養食 | 酸化防止剤 | 保存料 |
不使用 | 不使用 | |
着色料 | 香料 | ライフステージ |
不使用 | 不使用 | 全年齢対応 |
ランフリーのキャットフードはとてもこだわった良いフードだと思いますが、とにかく値段が高いです。1㎏辺りの価格は最も高く、この金額であれば3大穀物を使わずにより多くの猫が食べられるように作って欲しいと思います。
プロステージキャットフード
大手国産メーカーの無添加キャットフード
プロステージは「イースター㈱」という国内のメーカーが作る国産キャットフードです。プロステージ以外にも自社ブランドを持っていて、ドッグフードや小動物用の餌も製造・販売している大手メーカーです。なので品質面については信頼できますが、小麦・トウモロコシの使用や、メイン食材に低品質な可能性がある「ポークミール」を使用している点から4位としました。
価格 | 【通常価格】2,376円/1.2㎏ |
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総合評価 | |
備考 | 国産&無添加では低価格/穀物の使用あり/メイン食材の品質が不透明 |
1㎏あたりの価格 | 穀物 | メイン食材 |
---|---|---|
1,980円 | 米粉・小麦粉・コーングルテンミール | ポークミール |
総合栄養食 | 酸化防止剤 | 保存料 |
不使用 | 不使用 | |
着色料 | 香料 | ライフステージ |
不使用 | 不使用 | 全年齢対応 |
プロステージは大手メーカーが作っているということもあり、上位の国産キャットフードよりも低価格なのが魅力的です。ただし、アレルギーが心配な穀物を使用していたりポークミールの使用など、材料面では少し不安が残ります。
メディファスキャットフード
ヨード卵でおなじみの大手メーカーが作る国産キャットフード
メディファスはヨード卵が有名な「NOSAN」のグループ会社である「ペットライン」が作る国産の無添加キャットフードです。「国産+無添加」までは良いんですが、メインの食材を含めて穀物の使用量が多く、消化・吸収の面では不安が残ります。また使用している肉についても「ミートミール」や「チキンミール」など品質面でも不安です。
価格 | 【通常価格】1,600円/1.5㎏ |
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総合評価 | |
備考 | 最も低価格/穀物の使用あり/メイン食材が穀物 |
1㎏あたりの価格 | 穀物 | メイン食材 |
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1,066円 | トウモロコシ・コーングルテンミール・おから | 穀類 |
総合栄養食 | 酸化防止剤 | 保存料 |
不使用 | 不使用 | |
着色料 | 香料 | ライフステージ |
不使用 | 不使用 | 全年齢対応 |
メディファスはランクインした国産の無添加キャットフードの中で最もリーズナブルな価格帯になっています。ただ、価格に合わせて使用している食材の質が下がっています。
なぜ「日本製・国産のキャットフード」は輸入フードと比べて良くないと言われるのか?
国産や日本製のキャットフードがダメだとは言いませんが、やはり国産のキャットフードには問題があります。ここでは国産キャットフードが海外メーカーや輸入フードと比べて劣る理由をご説明します。
日本製のペットフードはレベルが低い?
ペットフードの先進国と言えばイギリスやアメリカ・ドイツなどが挙げられます。これらの先進国ではペットフードに使われる材料についても粗悪な材料が使われないように
日本における「総合栄養食」もそうですが、AAFCO(アメリカ飼料検査官協会)の栄養基準は各国でも取り入れられています。
そもそも、先進国では動物愛護の意識が強く、日本の法律ではペットを「飼い主の所有物」と扱っている時点で、ペットに対する考え方が全く違います。なのでペットフードに限らず、法律や医療についても欧米諸国の方が進んでいます。
例えば、ドイツではペットフードにはヒューマングレード(人間が食べるレベル)の材料を使用しなければいけないという法律まであります。日本でもようやく法律が整ってきてペットフードの基準が決められました。(2009年1月から)
ただし、先進国と比べればまだまだで、ペットフードは法律上未だに「雑貨」扱いです。世界に流通する国産のペットフードメーカーが無いことからも、日本のペットフードのレベルの低さが伺えます。
国産と海外生産とでは原材料費が大きく異なる
例えば農産物の生産においても、国内と海外とでは規模が全く異なります。これはペットフードメーカーからすると仕入れ価格に大きく関わる部分です。また、海外のペットフードは世界に向けて販売する大手メーカーが多いので一度に大量に生産が可能です。
国内でこだわったキャットフードを作ろうとすると、国産の割高な材料を使用し、少量を生産するしかありません。これでは高くなって当然です。国内でも割と大量に生産している大手メーカーもあります。
大量生産が可能な国産メーカーは材料費を抑える為に、肉の代わりに水分が少なく腐りにくく、仕入れコストが安い穀物を大量に使用します。それだけでなく、肉も「〇〇ミール」など何が入っているのかよく分からない材料を使用しています。
結局、同じ値段で良いものを作ろうとしたら材料費や生産コストを考えれば 輸送コストを含めても海外で生産した方が良いフードが作れます。 (輸入品でもあまりに安いフードはNGですが)
「値段が高ければ良い」という訳でもありませんが、「ねこはぐ」や「ランフリー」などの値段を出せば、輸入品でオーガニックフードを購入することも可能です。キャットフードに関してはあまり「国産」に囚われない方が良いでしょう。
国産キャットフードでは安心して与えられる「無添加+グレインフリー」が少ない
比較表を見て頂くと分かりますが、国産で無添加+グレインフリーのキャットフードはありません。「ねこはぐ」と「日本のみのり」が唯一、3大穀物不使用で無添加の国産キャットフードです。
それ以外のフードを見ると「穀物と添加物を大量に使用」したものか「無添加にこだわっているが総合栄養食の基準を満たしていない」ものの2極化になっています。「グレインフリー(穀物不使用)」もペットの先進国から生まれた考えです。
最近では国内メーカーも少量生産をしているメーカーからグレインフリーを取り入れる傾向が見えますが、販売目的が先行し栄養基準を満たさないフードが増えています。総合栄養食と書かれていないフードを食べたからといって直ぐに調子が悪くなる訳ではありません。
猫の必須栄養素は60種類以上あり、それぞれに1日に最低限必要な量があります。総合栄養食と書かれていないフードは、最低基準値を満たしていないものなので長期的に食べることで、栄養不足による病気になる可能性があります。