ベンガルはイエネコとヤマネコのハイブリッドで特定の遺伝疾患が少ない丈夫な種類です。
ただ、誕生は1970年代と新しいのでまだデータが少ないので、個体によって前後すると考えていた方が良いですね。
実は運動量がかなり多いから、家の中も遊べる場所を作ってあげないと大変なんだにゃ!
ベンガルの平均寿命
ベンガルの平均寿命は14歳前後と言う説が最も多いです。最新の調査では一般的な猫の平均寿命は15.04歳とされていますが、これは「完全室内飼い」と「外に出る子」の平均値です。ベンガルを飼っている方は基本的に完全室内飼いだと思うので、これを考慮すると一般的な猫と比べると「ベンガルの寿命はやや短め」と言えるかもしれません。
調査年 | 全体(平均寿命) | 外に出ない(平均寿命) | 外に出る(平均寿命) |
---|---|---|---|
2012年 | 14.45歳 | 15.74歳 | 12.33歳 |
2013年 | 15.01歳 | 15.99歳 | 13.16歳 |
2014年 | 14.82歳 | 15.69歳 | 13.19歳 |
2015年 | 15.75歳 | 16.40歳 | 14.22歳 |
2016年 | 15.04歳 | 15.81歳 | 13.26歳 |
出典:一般社団法人 ペットフード協会「平成28年 全国犬猫飼育実態調査」
このデータでは雑種が全体の79.2%でベンガルに関するデータはありませんでした。「純血その他」が全体の2.7%なのでもしかしたらこの中にベンガルが入っているかもしれませんが、対象数があまりに少ないので、あくまで「雑種のデータ」として見た方が良いでしょう。
ベンガルは「ヤマネコ」と「イエネコ」の交配で生まれているので、「自由きままでマイペース」な部分があります。その為、ストレスに弱くベンガルを長生きさせるにはどれだけストレスフリーで育ててあげるかがカギになります。
ベンガルを長生きさせるコツ
ストレスフリーな生活といっても、ベンガルが喋れる訳ではないのでどうすればいいのか分かりませんよね?ここからはベンガルの性格や習性をもとにベンガルが長生きできるポイントをまとめました。
キャットフードの選び方
ベンガルを長生きさせる上でキャットフード選びは欠かせない要素です。ベンガルには「 高たんぱく・高脂質・グレインフリー(穀物不使用)」なキャットフード を選んであげて下さい。一般的な猫にも言えることですが、猫は犬とは違い完全な肉食動物です。なので猫が必要とする栄養素のほとんどは肉や魚に含まれています。
ベンガルは「ヤマネコ」の血が濃く残っているので筋肉質でガッシリとした体つきをしています。一般的な家猫よりも背骨の節が1つおおく、胴長でやや大きくなります。また、大きな体をものともしない運動神経を持っていて、家の至る高さにも人っ跳びで飛び移ります。
なのでこの筋肉質な体型を維持する為にも高たんぱくなキャットフードが必要になってきます。高たんぱくといっても、小麦や大豆・トウモロコシなどの穀物を使ったフードでは意味がありません。穀物にもたんぱく質は含まれていますが、肉食の猫にとって穀物は消化が難しく穀物に含まれるたんぱく質はほとんど消化・吸収できません。
それに加えて穀物は糖質や炭水化物が豊富なので猫にとっては「栄養になり難い(満腹感を得られないので食べ過ぎる)上に、太り易い」食材です。逆に猫にとって脂質は「エネルギーに変えやすく(満腹感を得られるので食べ過ぎの予防になる)消化・吸収に優れた食材」です。
なのでベンガルの筋肉質な体を維持する為にも「高たんぱく・高脂質・グレンフリー」なキャットフードを選んであげましょう。筋肉量が多いということは、基礎代謝が高くなるので筋肉質な体を維持するだけで肥満の予防にもつながります。
ベンガルの運動量を確保する
ベンガルは純血種の中でも運動量が豊富でな種類です。よく「見た目の割に大人しい猫」として紹介されますが、ヒョウやチーターのようなワイルドな見た目をしているので、噛みつかれたり・ひっかかれると思っている方が多いのでこのような表現をされることが多いんです。
「イエネコ」と「ヤマネコ」の交配なので、ヒョウやチーターのように嚙みつかれたり・ひっかかれるといったことは少ないですが、遊ぶ時は激しいです。家中の家具に軽々と飛び乗り、カーテンを使ってカーテンレールまで登ることも少なくありません。(ベンガルに限らず子猫の内は多い)
特に猫の習性として、天敵から身を守りつつ、周囲の様子を伺えるので高い所から部屋を見渡すのを好みます。「ヤマネコ」の血が強く残るベンガルはこの修正が強いと考えて良いでしょう。また、高い所に上る為に高い身体能力と筋肉質な体を持っていると言っても良いです。
ベンガルの運動量を確保する為にも一軒家であっても2段以上のキャットツリーを用意してあげましょう。逆にワンルームではベンガルの運動量を確保するのは難しいでしょう。ワンルームでもキャットウォークなどがあると良いかもしれません。
普通の猫よりもやや大きくなるのでキャットツリーもしっかりとベンガルの体重を支えられるように天井と床とで固定できる突っ張り棒タイプなど、しっかりとしたものを選んであげると良いでしょう。
完全室内飼い
外の世界のリスクは書き出すとキリがないですが、完全な室内飼いにすることで寿命が平均で2年伸びるということが「1 ベンガルの平均寿命」で分かります。国内でベンガルを飼っている家はほとんどが完全室内飼いだと思うので、「寿命を伸ばす」というよりは「寿命の維持」や「寿命を短くさせない」という意味合いが強いです。
もちろん、外で木に登ったり元気に走り回ったりすることでストレスの解消にもつながるんですが、そういったメリットに対してデメリットがあまりの多いということです。例えば例をあげるとするとすぐに浮かぶものだけでも次のようなものがあります。
保護に関しては、里親募集サイトなどを見ていると珍しい例ではありません。保護され、とりあえずは交番などに捜索願いが出されていないか確認する方もいれば、そのまま里親募集に出す方もいます。人気の血統なので里親が見つかるとは思うんですが、見つからなければ殺処分されてしまう可能性だってあるでしょう。
避妊・去勢手術
避妊・去勢手術によって寿命が延びる訳ではありませんが、手術を受けることによってオス・メスそれぞれの 性器に起きる特定の病気を予防 することができます。ベンガルが特別性器の病気を好発する訳ではないので「室内飼いにするし手術は不要」と考える方も少なくないかもしれません。
避妊や去勢手術によって好発する病気もあります。代表的なものでいけば手術を受けた子の大半が太り易くなることから「肥満」はデメリットとしてあげられるでしょう。但し、手術を受けることで発情期のスプレー行為が減るなどのメリットもあります。
避妊・去勢によるメリット・デメリットについては「猫の避妊・去勢手術の費用やメリット・デメリット」を参考にして下さい。また、手術の内容もいくつかあり、費用やメリット・デメリットの内容が変わるので事前に獣医からしっかりとした説明を受けてから行うようにしましょう。
定期的な健康診断
ベンガルは遺伝疾患が多いと言われる純血種の中では、好発する特定疾患が少なく丈夫な種類です。病気に関しては特に注意する必要はなく、上記にまとめた「運動不足」と「コミュニケーション不足」以外は一般的な猫と同じことを気を付けていれば長生きが望めます。
その中の一つとして定期健診は病気の早期発見という意味でも欠かせません。特定の遺伝疾患が少ないというだけで、オスなら尿路結石が心配ですし、太ってくれば糖尿病などが心配になってきます。定期健診で寿命が延びる訳ではありませんが、病気の早期発見・早期治療は治癒や重症化の予防につながります。
ベンガルに限った話しではありませんが、若い内から定期的に健康診断を受けることをおすすめします。