でも博士も言ってるようにアメショは純血種の中では丈夫な種類だからあんまり気にしなくても良いと思うにゃ。
目次
アメリカンショートヘアが遺伝的にかかり易い病気Ⅰ:肥大型心筋症
肥大型心筋症は心室の筋肉が厚くなることで、心室内の容量が減ってしまい1回の心運動で送り出せる血液の量が減ってしまう病気です。理由はよく分かっていませんがアメショが好発することが分かっています。その他の好発条件として「6~10歳のオス」ということが分かっています。
命の危険は低い病気ですが、根本治療ができない病気で対処療法しかありません。また、原因も分かっていない為、予防もできない厄介な病気です。アメショに多い病気なので年齢に関わらず定期的に健康診断を受けて早期発見・早期治療を心がけましょう。
アメリカンショートヘアが遺伝的にかかり易い病気Ⅱ:尿管結石
2015年に麻布大学付属動物病院が行った調査によると純血種の中ではヒマラヤン・アメリカンショートヘア・スコティッシュフォールドが尿管結石を起こしやすことが分かりました。尿管とは腎臓と膀胱を結ぶ管(上部尿路)のことです。
この調査のデータは「完全室内飼い」・「結石の93.8%がシュウ酸カルシウム主体」・「平均年齢は5.8歳」となっています。また2割は尿路結石用の療法食を食べていたそうです。
尿管結石の原因としては「水分不足」・「肥満」・「運動不足」が大きな要因です。十分に運動をさせることで肥満も解消できますし、水分摂取量も増やせます。既にアメショと暮らしている方も、これから迎える方も「水分不足」・「肥満」・「運動不足」に十分気を付けましょう。
アメリカンショートヘアが遺伝的にかかり易い病気Ⅲ:多発性のう胞腎
多発性のう胞腎は1,000匹に1匹の割合で起こすと言われる遺伝病で、猫が年をとるにつれて腎臓が少しずつ大きくなっていき、最終的には腎不全を起こす病気です。人にも起こる病気で、難病に指定されている病で直すことのできない病気です。
初期の状態では腎臓の大きさも普通で上記のような症状もありません。成長に連れて少しずつ腎臓が大きくなり、症状が少しずつ現れるようになります。腎不全の症状が出てくると命の危険も出てきます。アメリカンショートヘアと暮らす以上は覚悟が必要な病気です。
年齢や多発性のう胞腎の進行具合にもよるんですが、比較的エコー検査で見つけやすい病気でもあります。小さい内から定期的に検診を受け、早期発見・治療に努めましょう。
アメリカンショートヘアがかかり易いと言われる間違った病気Ⅰ:肥満
アメリカンショートヘアは色々なサイトで「太り易い」種類として紹介されています。言い方の問題ではありますが、これはちょっと誤った情報です。アメショは太り易い訳ではなくて食いしん坊な子が多いんです。
なのでご飯皿の中に常にご飯が入った状態で置いておくと必要以上に食べてしまい太ってしまうんです。確かに一言で言えば「太り易い」んですが、この書き方だと体質的・遺伝的に太り易いともとれますよね?もし遺伝的に太り易いと勘違いした人が過度なカロリー制限をしてしまうと成長不良や栄養不足になることも考えられます。
なのでここではあえて「間違った病気」として紹介しました。もともと体質的な話しをすれば、猫は全般的に太り易くて痩せにくい動物です。それにプラスしてアメショが食いしん坊なので太り易いという内容自体は間違ってはいませんが、低カロリーのフードに変えたりする必要はありません。
きちんと 1日の給餌量を計ってからあげる 生活を続ければ、体重の増減があった時に1日の給餌量が多かったのか少なかったのかがきちんと分かります。これをしないで適当な量をあげていて太ってしまうとどのくらいの量を減らせば良いのかも分からなくなってしまいます。
また、かわいそうな気もしますが「おやつ」は禁止です。そもそも猫にはおやつという習慣はないので不要です。また、「人間の食べ物」もNGです。人間の食べ物は塩分が強く腎臓に負担をかけます。全ては可愛いアメショの体調管理の為です。
やっている人にとっては当たり前のことなんですが、この当たり前ができないが為に肥満体質な猫が増えてしまい、肥満を原因として色々な病気を引き起こすケースが多いです。
アメリカンショートヘアがかかり易いと言われる間違った病気Ⅱ:糖尿病
アメリカンショートヘアが「糖尿病」にかかり易いとして紹介しているサイトがあったのでここで紹介します。これはアメリカンショートヘアが太り易く、糖尿病の原因として「肥満」が大きく関わっている為です。
糖尿病にかかり易い種類として2016年にイギリスで行われた調査でははバーミーズが通常の3倍、ノルウェージャンフォレストキャットが3.5倍、トンキニーズが4.1倍かかり易いと発表されました。
この調査ではアメショは入っていない(その他に入ってる?)んですが、ペルシャはかかりにくいと言われています。現在のアメショはペルシャの血も入っているので遺伝的に糖尿病を好発させる訳ではありません。
とは言え、この研究では好発条件もまとめられており、「6歳以上・太った・オス」に多いとされています。体重に関しては6㎏以上の子は5㎏代の子の倍、7㎏以上の子は6㎏代の子の約倍も発症し易いことが分かりました。
体重に関しては数値だけで本当に肥満かどうかはBCSを元にした方が良いですが、 アメショも食いしん坊な子が多いので体重管理は十分に注意したい ところです。ただ、この研究からも分かるようにアメショが他の純血種と比べて特別糖尿病を好発する訳ではないことは分かります。
アメリカンショートヘアがかかり易いと言われる間違った病気Ⅲ:関節疾患
アメリカンショートヘアが「関節疾患」にかかり易いとして紹介しているサイトがあったのでここで紹介します。これは「糖尿病」と同じようにアメリカンショートヘアが太り易く、肥満による関節への負担があるとして言われているだけです。
スコティッシュフォールドやペルシャのように「軟骨異形成」などの遺伝疾患を抱えている訳ではないのでアメリカンショートヘアが純血種として関節疾患にかかり易い訳ではありません。あくまで「太り易い→太ると関節に負担がかかる→関節疾患にかかり易い」という2次災害的な理由です。
アメショを飼っている方の中で「関節疾患にかかり易い」とする誤った情報を見て必要以上に悩み、効果があるのかも分からない不必要なサプリメントに手を出さないように書かせて頂きました。毎日の食事量をしっかりとコントロールし、 肥満に気を付けていれば関節疾患を特別意識する必要はありません。
とは言え、雑種やその他の純血種同様に加齢によって筋力は衰えますし、歳を重ねるごとに関節疾患の可能性はあります。ただ、普通の猫と同程度の発症率で特別なり易い訳ではないということだけ覚えておいて下さい。
アメショは基本的に純血種の中では遺伝病などが少な丈夫な猫ですがそれでも気を付けたい病気がいくつかあります。
症状もまとめてあるので異変に気づいたら早めに受診して下さいね。