お手とか?お座りとか?!
小太郎君が言っているのはトイレや噛み癖・爪とぎなんかのことね。
猫のしつけは犬と比べると少し大変なんです。
猫をしつける時の基本的な考え方から詳しくまとめたので、読んでみて下さいね。
猫・子猫をしつける基本
ここでは成猫・子猫をしつける際の基本ともいえる部分についてまとめています。しつけの基礎といっても良い部分なのでかなり詳しくまとめています。「トイレ」や「噛み癖」など特定のしつけをしたい方は上の目次からカテゴリーに飛んでください。
【しつけのポイントⅠ】猫のしつけには根気と時間が必要
しつけと聞くと、犬の「お手」や「おかわり」など芸を思い浮かべるかと思います。猫の脳の潜在能力は犬よりも低く、犬が10回で覚えられることを猫だと20回・30回と根気と時間をかけてしつけていく必要があります。
また、 「猫の集中力は持って10分」 と言われています。集中力がきれた状態でしつけを行おうとしても上手くいかないだけでなく、しつけ自体を嫌いになり暴れるといった拒否行動を起こすようにもなるので、しつけの際は時計を見ながら5~10分程度で切り上げましょう。
【しつけのポイントⅡ】猫のしつけはタイミングが重要
猫をしつけていく場合、犬のしつけと同じように「ごほうび」や「叱る」といったアメとムチ(以下「刺激」)を使ってしつけていくことになりますが、猫をしつける場合、この刺激を与えるタイミングが非常に重要になってきます。
刺激を与えるタイミングの実験を行った結果、 「最も効果的なのは直後」 でありたった2~3秒であっても前後すると効果が半減します。例えば猫が壁で爪を研ごうと壁に手を置いた瞬間に刺激を与える」というイメージです。
ただ、瞬間を逃したからといって意味が無い訳ではありません。(数分もたってしまえば意味がありませんが)大切なのは反復し、「猫に何をやって欲しくないのかを分かってもらう」ことです。
【しつけのポイントⅢ】猫のしつけには一貫性が重要
例えば、あなたが猫がソファーで爪を研ぐのを止めさせようとソファーでの爪研ぎを始めた瞬間に刺激を与えていても、家族の誰かが「ダメだよ~」と言いながら爪研ぎをやめさせる為におやつをあげてしまう。この場合、猫はあなたに刺激を与えられたことよりも、おやつを貰ったことを覚えてしまいます。
なので爪研ぎをしてあなたに与えられた刺激よりもおやつ欲しさに爪研ぎをしてしまうようになってしまう為、しつける際の刺激(こら!ダメ!などの言葉や手段など)は一貫し、そのたびに何度も刺激を与える必要があります。
しつけ(刺激)をしたりしなかったりというのも猫にとっては「この前はダメって言われたけど、今日は言われないな?なんでだろ?」となってしまう為、とにかく覚えてくれるまでは根気よくしつけていく必要があります。
【しつけのポイントⅣ】猫のしつけには最初からある程度の刺激が必要
人も同じですが、ごほうびにしても罰にしてもだんだんとレベルを上げていくと「慣れ」につながり効果が薄れます。そのため、効果を最大限引き出すためにもしつけの際の刺激は最初から強め(インパクトのある)に行っていきます。
ただし、叩くなどのしつけ行為はあまり効果がない上、猫は体も小さいの人が本気で叩くと簡単に骨折してしまいます。ごほうびや罰の内容については以下を参考にして下さい。
猫のごほうび(プラスの刺激)に使える手段
- 「おやつ」や「キャットフードフード」など好物を与える
- なでる
- 褒める
- 遊んであげる
最も有効なのが「おやつ」や「キャットフード」です。好物という点では「猫缶」も有効ですが、すぐにあげるという点では乾燥していて手で持てるものが良いので「おやつ」や「ドライフード」が良いでしょう。
ごほうびをあげてしつける方法は主に「爪切り」や「歯磨き」など猫にとってやや嫌と感じることを我慢してくれた時に使います。「本当や嫌だけど、美味しいものが食べられるから我慢しよう」と覚えて貰えます。
ごほうびは焦らすことで効果が高まる!
ごほうびをあげてしつけをする場合、食後にやるよりも1食抜いてからあげる方が効果が高まります。猫は犬よりも食に対する関心が低いので満腹状態ではごほうびを喜んで食べない・食べるけど食べた時の満足感が低い為です。
少し可愛そうな気はしますが、1食くらいなら抜いても問題ないので焦らしてお腹が空いた状態でしつけを行うことで「ごほうびの満足感が上がる」=「しつけがスムーズに進む」ということになります。
猫の罰(マイナスの刺激)に使える手段
- 無視する
- 閉じ込める
- 叩く
- 鼻を軽くデコピン
しつけで罰を与えるタイミングとしては「やって欲しくないことをした時」です。例えば、「食卓に乗って欲しくないのに飛び乗ってしまった時」などに叩いたり・キャリーやケージに閉じ込めたりします。「無視」は遊んでいた時に手足を噛まれた際に使います。
但し、「叩く」という行為は猫にとって「人の手に対する警戒心をあげる」ことになることもあります。この結果、撫でようとした時に「また叩かれる」と思いひっかくなどの問題行動にもつながるので基本的に罰よりは次の方法を取る方が理想的と言えます。
猫の問題行動を止めさせる時に使える手段(おすすめのマイナスの刺激)
- 目の前で両手でパン!とする
- ボール用の空気入れなど(若干圧のある空気)
- 水鉄砲や霧吹き
- 大きな声で「こら!」や「ダメ!」と言う
おすすめは「水鉄砲」や「霧吹き」です。猫はほとんどの個体で体が水に濡れることを嫌います。例えば食卓に上がったサンマに手を伸ばそうとしている時に霧吹きを浴びせることで「食卓に手を出すと嫌なこと(濡れる)が起こる」と学習して貰えます。
この方法は興奮状態において一度落ち着かせる目的も含まれています。例えば、遊んでいてつい興奮してしまい手足に噛みついてきたときなどに、行うことでびっくりさせて我を取り戻させるのに効果があります。
猫・子猫にトイレをしつける
猫にトイレを覚えさせるのは犬に教えるよりも簡単 と言われています。これは猫の習性上、ある程度広いところ(周りが見渡せて外敵が近づいてもすぐに分かる)土を掘って排泄し、排泄後に土をかぶる為(諸説あるが、外的に自分の存在を知らせない為)です。
その為、トイレのしつけはとても簡単で猫がおしっこ・うんちをしたくなった時のサインを見逃さず、 サインを出したらトイレに連れていくだけ です。具体的なサインとしては以下のようなものがあります。
通常はサインを出したらトイレに連れていくことを2~3回繰り返すとトイレを覚えてくれます。また、猫にとって「トイレの好条件」を揃えておけば、猫は自然とトイレで用を足すようになります。では猫にとっての「トイレの好条件」とはどんなものがあるのでしょうか?
猫のトイレといっても、完全にドーム型になっているものや、お椀型になっているだけでヘリや壁が低いものなど色々あります。値段も変わってきますし、トイレ掃除のやり易さも変わってくるので購入する際に、「実際に猫が排泄した後にどうやって処理するのか」をシュミレートして購入すると良いでしょう。
また、猫砂についても「トイレに流せるタイプ」・「可燃ごみとして捨てられるタイプ」など色々あります。ただ、猫砂においては個体によって好みがあることが分かっているので、2~3日おきに違う猫砂に変えながら、排尿・排泄回数をチェックすることで 好みの猫砂を知ることができます。
逆にトイレや猫砂に不満がある場合の仕草についても知っておきましょう。もしこれらの仕草がみられる場合は、何かしらトイレに不満があることが多いので、排尿・排泄回数が減り病気につながることもあるので試行錯誤しながらその子にとってベストなトイレ環境を作ってあげて下さい。
「トラウマ」に関しては用を足している時に近くで洗濯機が動いてビックリした…や、用を足していたらキャリーに入れられそのまま病院に連れていかれたなど、人間にとっては「え、それだけで⁉」と思うようなことで、以降そのトイレに対して嫌なイメージを抱いてしまいます。
新たなトイレを設置してあげることで治ることもありますが、イチから好みを探すことになり手間がかかります。では最後に猫にトイレをしつける際のNG行動をご紹介します。
トイレに失敗してしまったとしても怒ったり・マイナスの刺激を与えるのは止めて下さい。これはあなたは「そこでして欲しくない」からしたことでも猫にとっては「排尿・排泄を怒られている」と勘違いし、我慢するようになってしまう為です。
それから、どんなに好みのトイレ環境であったとしてもトイレの中におしっこやうんちが残っていると排尿・排泄回数が減ることが分かっています。基本的にはその都度または気づいた時にはすぐに片づけてあげることが最も大切なポイントになります。
猫・子猫にに爪とぎをしつける
猫が爪と研ぐ行為を止めさせることはできません。 猫に爪とぎをしつける上で大切なのは「猫が自由に爪を研いで良い環境(できれば好んで爪をとげる場)を作ってあげる」こと です。
とは言っても、猫が好む環境を手探りで探すには時間と労力がかかります。その為、ここでは「ごほうび(プラスの刺激)」をうまく使ってしつけをしていきます。方法は凄く簡単です。(ごほうびと罰については「1 猫・子猫をしつける基本」を読み返して下さい)
- あなたが用意した爪とぎ器を使ってくれたらごほうびをあげる
- 人口フェロモンを爪とぎして欲しくない場所に使用する
アメリカやカナダの共同研究チームがインターネットを使って大規模なアンケート調査を行ったところ、「爪とぎのしつけ効果がある」ことや「猫が爪とぎに好む素材」・「年齢ごとに好む素材が変化する」ことなどが分かりました。
正しい場所で爪とぎをした際にごほうびをあげている人の80.4%は「1日のうち1回は爪とぎ器を使ってくれる」と答えたのに対してごうほうびを何もあげない人の同回答率は67.7%だったと言います。
ビルバック社から出ているフェリウェイスプレーという猫の顔から出るフェロモンを爪とぎして欲しくない場所に使用した場合、28日後には使用した場所での爪とぎ行動が96%減少したという報告もあります。
罰(マイナスの刺激)によって爪をとぐ回数自体が減ることは無かったということから、正しい場所で爪とぎをしてくれるようにしつけていき、爪とぎをして欲しくない場所にはカバーをかけたり障害物を置く・爪とぎを始めたら爪とぎ器をあてがうなど、根気強くしつけていくしかないようです。
この調査では9歳以下の子はロープを好む子が多いのに対して、10歳以上では絨毯やカーペットを好むことが分かりました。推測に過ぎませんが、加齢に伴って柔らかい素材を好む傾向にあるようです。
また、全年齢において「斜めに立てかけるタイプや」、「床に寝かせるタイプ」よりもしっかりと体重を乗せて爪をとげる縦型(キャットツリーなど)の使用率が高いことも分かりました。
Owner observations regarding cat scratching behavior: an internet-based survey
Colleen Wilson et al. Journal of Feline Medicine and Surgery, Vol 18,Issue10,pp.791-797,doi:10.1177/1098612X15594414
推測に過ぎませんが、この調査を見ると素材だけでも大きく分けて「麻のロープ」・「絨毯またはカーペット」・「段ボール」の3パターンに分かれます。設置スタイル(床置きやキャットツリーなど)も合わせればもう少し選択しは広がりますが、 最低でも3種類の素材を試す価値はありそう ですね。
猫・子猫のひっかき癖・噛み癖をしつける
猫のひっかき癖・噛み癖をしつけていく為にはいくつかポイントや方法があります。これは噛む・ひっかくといった行動の中にもシチュエーションによって原因が異なり、必ずしもしつけや対策方法が同じでは無いためです。
あまり間違えることはないと思いますが、猫は病気による不調を隠すのが上手な動物です。ですが、実際には痛いので幹部に触られることを嫌い、噛んだりひっかいたりすることがあります。
これに対してよくあるのが、じゃれあって遊んでいたのに急に手や足に噛みついてくることがあります。これは「1、興奮状態で本能がむき出しになっている」、「2、遊び道具(遊具)を上手く狩りできない照れ隠し」などのケースがあります。
異なるこれらの対処法が同じで良い訳がありませんよね?なのでここでは猫のひっかき癖・噛み癖で多い原因から順に、しつけ・対策方法をご紹介していきます。
遊んでいたのに急に手足を噛まれる・ひっかかれる時のしつけ方法
- 手にじゃれさせず、おもちゃを使って遊んであげる
- 噛んできたら罰(マイナスの刺激)を与えて遊びを中断
- 遊びを再開する時は20分後
遊んでいて急に噛みついてくる場合、いくつか原因が考えられます。まず一 番大切なのは日ごろから「おもちゃを使って遊んであげる」 ことです。これは猫に「遊んでよいのはおもちゃだけでそもそも手足をおもちゃと認識させない」為です。
突然手足に噛みついてくる時のしつけ方
- マイナスの刺激を与える
- ダメなら別の部屋・ゲージに隔離する
- またはおもちゃで遊んであげる
家事をしていて、猫が突然足に噛みついてくることがあります。(しかも結構痛い)これは、かかと部分を獲物に見立てて狩りモードに入ってしまっている状態です。一種の興奮状態なので、霧吹き(マイナスの刺激)を与えて興奮状態を解除してから無視する。
もし罰を与えても興奮状態が冷めなければ、別の部屋やゲージに入れて20分ほど放置します。だいたいの子が出して欲しくなって鳴きますが、罰なので20分程度は放置し「足に飛び掛かると締め出される」と学んでもらいます。
また、このパターンの場合、単純に遊びが足りずにストレスを抱えているケースも考えられます。その場合、おもちゃなどで遊んであげることで問題が解決します。おもちゃに見向きもせず、足に飛び掛かってくる場合は興奮状態と判断して良いでしょう。
引きこもって出てこないのを無理に出そうとしてひっかかれる・噛まれる時のしつけ方法
人見知りの子は来客時などに押し入れに引きこもってしまいますが、そういったケースではなく、日常的に人目のつかない場所に引きこもっている場合、病気や骨折などによって人知れず痛みに耐えている場合があります。
この場合、しつけというよりは原因を調べるために強引ではありますがキャリーに入れて病院に連れていってあげて下さい。猫は痛みや不調がある場合、人目の無い場所でじっと耐えて回復するのを待つ修正があります。
原因はさまざまですが関節炎や骨折など、幹部に触られることで痛みが増すため、触られることを極度に痛みます。日常生活に問題がない場合は普段通りに過ごしているケースもあります。
グルーミングやスキンシップの際に特定の場所に触られるのを嫌がる場合、その周辺に「しこりが無いか」・「皮膚に異常は無いか」など 異変が無いかチェックし、異変があった場合は早めに受診 しましょう。
恐怖心からくるひっかき癖・噛み癖のしつけ方法
警戒心が強い子や新に迎えたばかりの子は、まだ環境に馴染めずに撫でようとした手に対して恐怖を感じて噛む・ひっかくといった行動を起こしてしまう場合があります。
- シャー!という威嚇
- 前足でのけん制(威嚇)
- 猫パンチ
- ひっかくまたは噛む
という順番で威嚇行動がエスカレートしていきます。この場合、無理に罰(マイナスの刺激)を与えてしつけるのではなく少しずつ猫とのスキンシップをとれるよう、まずはおもちゃで遊んであげたり距離を縮める努力をしてあげて下さい。
最終的に攻撃の前後で仰向けになりますが、これは猫にとっては「怖いけど逃げられないから戦う」という最終手段の段階です。距離を近づけようと必死にならず、威嚇行動が始まったらしばらくはそっとしてあげて続きは翌日など、時間をかけて距離を縮めてあげて下さい。
不快な状況を避けるために噛む・ひっかく時のしつけ方法
一般的に「学習性攻撃行動」と言われますが、小さい子に追い回されて「シャー!」と言っても効果がなかった、前足でけん制したけど効果がなかった、猫ぱんちをしたら子供が泣いて追い掛け回されることから解放されたとします。
この場合、この猫にとって「嫌なことをされたらシャー!とか前足でのけん制よりも最初から猫ぱんちを繰り出したほうが、嫌なことから回避できる」と学び、以降は威嚇行動なしにいきなり攻撃に入るようになります。
本来、猫は悪くないんですがいきなり攻撃する子がいると友人を家に招待するのも気を使ってしまいます。罰(マイナスの刺激)を与えて「手や足に攻撃するのは良くないことが起きる」と学んで貰いましょう。
このパターンには別の種類もあって、気持ちよさそうに撫でられていたのに急に噛みついてくることがあります。原因はハッキリと分かっていないんですが、「撫で方が下手!」や「もういいよ!」という合図という見方が一般的です。
撫でていると耳を横向きにし、瞳孔が開いてくるのでなんとなくリラックスした顔から攻撃的な顔に変わる瞬間がわかるはずです。この場合、無理にしつけるのではなく、あなたが空気を読んで止めてあげましょう。
個体差もありますが、猫の集中力は10分程度なので表情が変わらなくても、だいたい10分くらいで切り上げることで、お互いにとって嫌な思いをすることなくスキンシップをとることができます。
猫・子猫のしつけまとめ
いかがだったでしょうか。ここでは主に「トイレ」と「ひっかき癖・噛み癖」のしつけ方についてまとめました。他に「シャンプー」や「爪切り」・「歯磨き」などの具体的なしつけ方も別の記事でまとめているので参考にしてみて下さい。
ただ、基本的に「シャンプー」・「爪切り」・「歯磨き」は猫にとって不快な行動を我慢させるのでごほうびを上手く使って少しずつステップアップしながらしつけていくことになるので「しつけの基本」部分を読んで貰えればあまり必要ないかもしれません。
一応、具体的なステップアップ方法などをまとめているので、イメージがわかない方は参考にして頂ければと思います。