【これで安心】猫の避妊・去勢手術の費用やメリット・デメリット

加奈子
猫の去勢・避妊手術っていくらくらいするのかしら?
コタローはオスだから去勢手術ね。
キャットフード博士
加奈子さん、コタロー君の去勢まだだったんですね。
猫は1回の出産で多ければ5匹も出産するんです。
未だってコタロー君1匹で大変そうなのにそんなに飼えますか?
避妊・去勢手術は費用がかかりますが、「不幸な命を減らす為」にも考えてあげて下さいね?
小太郎
でも博士、僕は室内飼いで家から出ないにゃ。
それでも手術が必要なの?
キャットフード博士
そうね、でももし災害が起きた時にパニックになって逃げちゃうかもしれないし、
避難所生活になった場合、他の猫と一緒に暮らすことになるのよ。
それを考えると必要だと思わない…?
ただ、メリット・デメリットもあるから加奈子さんと一緒に考えてみてちょうだい。

 

雄猫の去勢手術にかかる費用

日本獣医師会が平成27年に公表している資料によると雄猫の去勢手術にかかる費用の平均は次の通りです。

 

  • 全身麻酔:10,020円
  • 去勢手術:12,652円

出典:http://nichiju.lin.gr.jp/small/ryokin_pdf/h27.pdf

 

ちなみに上記は平均価格なので地域や病院によって金額が大きく変わります。また、病院や地域の補助金や助成金を使うこともできるので、リンク先を参考に去勢に協力的な病院を探してみて下さい。

 

上記以外にも、猫は麻酔のかけ方で容体が変わり易いので事前に血液検査(5千円程度)を受けてから行うケースが多いです。検査の結果によっては日を改めたりすることもあります。

 

雄猫の去勢手術にかかる時間は?

 特殊なケースでない限りは日帰り(午前中に預けて夕方迎えに行く) です。ただ、実際の手術時間としては去勢の場合は30分程度で済みます。手術自体はさほど難しい内容ではないので、完全に麻酔から覚めて健康状態に問題がないかチェックするのに時間がかかります。

 

基本的には「病院で預かって夕方迎えにきて」というスタイルが多いんですが、病院によっては術後目を覚ましてから問題が無いか2時間程ゲージに入れて度様子をみるのでその間病院で一緒に待っていられるところもあるようです。

 

雄猫の去勢時期(タイミング)はいつがベストなの?

雄猫の去勢手術はアメリカの有識者会議で 生後5ヵ月 という条件が採用されました。ただ、体重が2㎏を超えてから(麻酔など体への負担を考慮し)という認識も広く、生後5ヵ月前にかかりえつけになるであろう病院に相談してみるのがベストと言えます。

 

体重が2㎏まで成長していない場合体への負担を理由に手術を受け付けてくれない病院もあります。逆に遅れてしまった場合はどうなるかというと、別に健康的に問題はありません。但し、家の中でのスプレー行為や発情期特有の鳴き声(朝方)などが始まってしまいます。(スプレー行為はしない子もいます)

 

去勢手術によるメリット・デメリット

去勢手術によるメリット

  • 不幸な命(殺処分)の減少
  • ケンカやスプレー、徘徊など問題行動の減少
  • 性的ストレスの軽減
  • 前立腺炎や精巣主要の予防
  • ケンカやスプレー行為の減少は手術を受けた全ての子に見られる訳ではありませんが、半数以上がこれらの問題行動が減少したというデータがあります。問題行動が減るのも、急激に変化が起こる子もいれば少しずつ減少していく子もいます。

     

    データとしては半数以上に変化が表れていますが、「問題行動をやめさせたい」という理由で去勢手術をすると、期待にそぐわない結果になることもあります。 「不幸な命を少しでも減らす」ことこそが本来の目的 であることを意識し、問題行動については「無くなってくれたらよいな」くらいの気持ちで行う方が良いでしょう。

     

    去勢手術によるデメリット

  • 下部尿路症候群のリスクがやや上がる
  • 糖尿病のリスクが上がる
  • 繁殖能力が無くなる
  • 麻酔によるリスク
  • 肥満体質になる
  •  

    デメリットに関しては肥満体質以外はあまり信ぴょう性のあるデータがなく、下部尿路症候群に関しては「リスクがあがる傾向」がある程度です。糖尿病は肥満体質を通して発症し易いので直接の関係性があるかは確認できていません。

     

    肥満体質についても、データ的に去勢手術を受けると多くなることが分かっていますが、原因(糖の吸収があがる・カロリー消費量が減る)は分かっていません。麻酔のリスクについてはイギリスで麻酔をかけた79,178件のうち死亡率が0.11%だったという数値があります。

     

    これに関しては麻酔目的(去勢手術や白内障手術・内視鏡など)や年齢などがバラバラなので麻酔の方法にも差があり、あまり参考にはなりませんがデータとして挙げておきます。

     

    雄猫の去勢手術前後の注意点

    通常、全身麻酔をすると脱力状態となってしまうので胃の中に食べ物が入っていると手術中に吐いてしまうことがあります。吐いたものが気管や肺に入ってしまい窒息を起こす可能性もある為、少し可愛そうですが手術前は 前日の晩御飯を最後に絶食 します。

     

    手術後も麻酔の影響で胃がきちんと働き出すまでに時間がかかり、食べたものを吐いてしまうことがあります。なので 一般的には術後半日くらいは絶食 します。雌猫の避妊手術とは違い傷口が小さく済むのでエリザベスカラーの着用は病院によってマチマチのようです。

     

    ※ここにまとめたのは一般的な内容であり、かかりつけの獣医から上記とは違う指示があった場合は獣医の指示に従って下さい。

     

    雄猫の去勢手術の内容は?

    ここでは去勢手術の一般的な「精巣摘出」手術の内容をご紹介します。施術後に睾丸を縫わない病院が多いですが、中には縫ったり専用の接着剤などを使って傷口をとめる病院もあります。

    1. 麻酔―10分程度で眠る
    2. ガス麻酔に切り替え
    3. 睾丸周辺の毛を刈る(約5分)
    4. 手術―睾丸(皮)にメスを入れて中から睾丸を取り出す(2つで10分程度)

     

    雌猫の避妊手術にかかる費用

    日本獣医師会が平成27年に公表している資料によると雌猫の避妊手術にかかる費用の平均は次の通りです。

     

    • 全身麻酔:10,020円
    • 卵巣切除:19,833円
    • 卵巣子宮切除:20,986円

    出典:http://nichiju.lin.gr.jp/small/ryokin_pdf/h27.pdf

     

    ちなみに上記は平均価格なので地域や病院によって金額が大きく変わります。また、病院や地域の補助金や助成金を使うこともできるので、リンク先を参考に去勢に協力的な病院を探してみて下さい。

     

    上記以外にも、猫は麻酔のかけ方で容体が変わり易いので事前に血液検査(5千円程度)を受けてから行うケースが多いです。検査の結果によっては日を改めたりすることもあります。

     

    卵巣切除
    卵巣だけをとる手術で、わずかに卵巣細胞が残ることもあり妊娠はしませんが発情が起こる可能性があります。卵巣支給切除よりも手術時間が短く、傷口も小さく済みます。
    卵巣子宮切除
    卵巣と子宮を全て切除するので避妊効果はもちろんのこと、発情もしなくなります。また、子宮をとることで子宮に関する病気を防ぐことができます。

     

    手術内容はそれぞれメリット・デメリットがあるので、獣医に説明をしてもらいあなたがベストだと思う内容を選びましょう。また、今では上記以外にも避妊手術があります。病院によって採用している場合もあるので確認してみて下さい。

     

    雌猫の避妊手術を行う時期(タイミング)はいつがベストなの?

    雄猫と同様に、アメリカのフロリダ州で行われた有識者会議で雌猫についても 5ヵ月が正式な適齢期 となりました。但し、(一般的に2㎏以上としている病院が多い)体重によっては体への負担を理由に断られることもあります。

     

    この辺りは病院や獣医によって考え方が違うこともあるので、生後5ヵ月までにかかりつけの病院に相談してみることをおすすめします。ちなみに5ヵ月以降に伸びてしまったとしても発情によるスプレー行為や鳴き声などの問題行動が起きるくらいです。

     

    ただ、完全な家猫でない(たまに脱走するなど)のであれば発情期がやってくる前に前もって避妊手術を行う方が良いでしょう。手術を迷っている間に外で妊娠してきてしまうと最悪は不幸な命が増えることにもなり得ます。

     

    雌猫の避妊手術にかかる時間は?

    雌猫の避妊手術の場合、雄の去勢手術とは違い傷口が大きいこともあり 1泊以上入院するケースが多い です。手術時間は子宮卵巣切除であれば40~50分程度ですが、前後の麻酔などを含めると1時間弱です。

     

    雄猫の場合とは違い、入院が必要となる為、基本的に付き添いは出来ません。麻酔から目を覚ました際にパニックになってしまわないよう、入院の際にお気に入りの布団や寝具などを持って行ってあげると良いでしょう。

     

    避妊手術によるメリット・デメリット

    雌猫の避妊手術のメリット

  • 不幸な命(殺処分)の減少
  • 切除する部位(卵巣や子宮)に付随する病気の予防
  • 乳がんの予防(データあり)
  • 性的ストレスの減少
  • 妊娠や出産による病気の予防
  •  

    乳がんに関しては避妊手術を行うことで「発症率が1/7」になるといったデータや「91%減少」するといったデータがあります。病気に関しても卵巣や子宮を切除するので特定部位の病気になることは無くなります。妊娠や出産による病気(子宮捻転や妊娠中毒症など)も防ぐことができます。

     

    雌猫の避妊手術のデメリット

  • 下部尿路症候群のリスクがやや上がる
  • 糖尿病のリスクが上がる
  • 繁殖能力が無くなる
  • 麻酔によるリスク
  • 肥満体質になる
  •  

    デメリットとしては当然ですが繁殖能力を失います。特に女性の飼い主の方は感情移入してしまい「せっかくメスとして生まれたんだから一度は妊娠・出産を経験させてあげたい」という思いから、避妊手術のタイミングが遅れてしまいがちです。

     

    結果として発情が始まってしまい妊娠してしまい、飼い主を探さなければいけなくなるケースが多いです。そういった女性の気持ちはもちろんなんですが、何より冒頭でも書いたように毎年5万を超える多くの不幸な命が奪われていることを忘れないでください。

     

    雄猫と同じようにきちんとしたデータがあるデメリットは「肥満体質」です。また、肥満体質が原因で糖尿病を発症するケースもありますが、避妊手術によってなぜ肥満体質になってしまうのかははっきりと分かっていません。

     

    とはいえ、1歳までは成長期でもあるので本格的に減量やダイエットを開始するのは1歳以降でよいでしょう。麻酔による死亡例としてはイギリスで「79,178件に対して死亡率が0.11%」というデータがあります。ただ、麻酔の内容や手術内容がバラバラなのであまり参考にはなりません。

     

    雌猫の避妊手術前後の注意点

    手術前は 前日の晩御飯を最後に絶食 します。全身麻酔によって脱力状態となる為、胃の中に未消化のものが残っていると手術中に吐いてしまい、呼吸困難になるのを防ぐ為です。

     

    手術後は麻酔が覚めて健康に問題がないかチェックする為に 1日以上の入院(日帰りの場合もある)、1週間~10日くらいで抜糸 に行きますが、傷口を舐めたり自分で抜糸してしまう子もいるのでエリザベスカラーや伸縮性の高い服を着せるケースが多いです。

     

    傷口が開いてしまったり、自分で抜糸してしまった場合はできるだけ早く病院に連れていってあげえましょう。退院後2日くらいは食欲にムラが出ることがあります。3日以上しても食欲が無い場合はかかりつけの病院に相談しましょう。

     

    病院によっては薬が処方されることもあります。ほとんどの場合が薬の服用はこのタイミングが初めてとなるので、薬の形状(粉末・カプセルなど)によって獣医から飲ませるポイントなどを聞いておくとスムーズに飲ませることができます。

     

    ※ここにまとめたのは一般的な内容であり、かかりつけの獣医から上記とは違う指示があった場合は獣医の指示に従って下さい。

     

    雌猫の避妊手術の内容は?

    ここでは一般的な卵巣支給切除の手術内容をまとめました。麻酔の前に触診などもありますがここではカットしました。手術内容にもよりますが、雄猫とは違い開腹するケースが多いので術後も1日以上入院するケースが多いです。

     

    1. 麻酔―10分程度で眠る
    2. ガス麻酔に切り替え
    3. お腹の毛を剃る
    4. メスによる開腹
    5. 子宮や卵巣の摘出(40~50分)
    6. 縫合
    7. 麻酔からの覚醒後、容体のチェック

     

     

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